口腔崩壊の子どもがいる学校は4割、児童・生徒の歯科未受診の原因は?

 大阪府歯科保険医協会が小学校を対象に実施した「学校歯科治療調査」によると、検診で治療が必要とされた子どもの約半数が未受診、「口腔崩壊」の子どもがいる学校が4割という結果が明らかとなった。

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 大阪府歯科保険医協会が小学校を対象に実施した「学校歯科治療調査」によると、検診で治療が必要とされた子どもの約半数が未受診、「口腔崩壊」の子どもがいる学校が4割という結果が明らかとなった。

 「学校歯科治療調査」は、大阪府歯科保険医協会が小学校を対象に実施したもの。調査結果を受け、各地の保険医協会で同様の調査が取り組まれ、2018年4月時点で全国21の保険医協会・医会で調査を実施。全国保険医団体連合会は、2012年から2017年までの調査結果を集計し、その特徴などを「中間報告」として公表した。対象は、小中学校(21都府県)および高校(3府県)、特別支援学校(5県)。

 学校で歯科検診を受けた子どもたちの中で、要歯科受診と診断された子どものうち歯科未受診は、小学校が52.1%、中学校が66.6%、高校が84.1%、特別支援学校が55.8%で、いずれも過半数を占めた。また、小中高を比較すると、高学年になるほど未受診が増加する傾向にあることがわかった。

 むし歯が10本以上ある、歯の根しか残っていないような未処置歯が何本もあるなど、咀嚼が困難な「口腔崩壊」と見られる児童・生徒がいたかという問いに対し、「いた」と回答した学校は、小学校が39.7%、中学校が32.7%、高校が50.3%、特別支援学校が45.1%だった。

 児童の未受診の原因は、「保護者が共働きで仕事を休んで通院させることができない。母子家庭で費用、連れて行く時間がない」「子どもが治療を嫌がるため、保護者が歯医者に連れて行かない(乳歯なのでそのうち生え変わると考えている)」など、経済的理由や親の多忙、ネグレスト、口腔ケアへの無理解などが指摘されている。

 生徒の未受診の原因は、「歯科治療は痛みが伴うと思い込みが強く、治療(受診)を進めても本人が行こうとしない」「部活動や塾などの習い事により、時間を作ることが難しく、治療へ行かない生徒がいる」など、子ども本人の歯科治療に対する忌避や部活動、学習塾などで時間がないことなどが指摘されている。

 この調査から、「潜在する疾病を早期に発見し適切な処置を講ずること」などを目的としている学校検診が、早期の発見や治療につながっていないことが明らかとなった。また、子ども医療費無料制度は全国に広がっているが、受診のたびに窓口負担をしなければならない償還制度や、少額でも毎回定額負担が必要な制度であるなど貧困な家庭には受診のハードルが高いなどの問題も指摘されている。

 全国保険医団体連合会は、「今後この調査を生かして、子どもの口腔の健康の改善に向けて、学校、歯科医療界、行政の関係者をはじめ社会全体で取り組んでいくことが求められている」とコメントしている。
《桑田あや》

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