フィリピン増加、アメリカ減少…日本人留学生数調査

 海外留学協議会は2018年12月5日、留学事業者38社を対象とした日本人の留学生数調査「日本人留学生数調査2018」を発表した。2017年の年間留学生数は7万8,109人にのぼり、フィリピン留学が増加した反面、アメリカ留学が減少していることが明らかになった。

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留学渡航国別の日本人留学生数
  • 留学渡航国別の日本人留学生数
  • 留学目的別データー
  • 各国における留学目的比率
  • 調査結果数値サマリー
 海外留学協議会は2018年12月5日、留学事業者38社を対象とした日本人の留学生数調査「日本人留学生数調査2018」を発表した。2017年の年間留学生数は7万8,109人にのぼり、フィリピン留学が増加した反面、アメリカ留学が減少していることが明らかになった。

 留学生数の調査は、日本学生支援機構(JASSO)やOECD等の統計に基づいた文部科学省の「日本人の海外留学者数」などがあるが、海外の大学や大学院などの高等教育機関に留学した日本人の人数や、日本国内の大学経由などで留学をした学生の人数しか計測されていない側面がある。

 海外留学協議会(JAOS)は日本人の留学生数をより明らかなものとし、留学業界全体を正しく発展させていくことを目的に、「海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査」を毎年実施。社会人や小中高校生などを含む留学生数統計データーを提供している。日本人留学生数調査2018は、JAOS加盟留学事業者38社を対象に実施。調査期間は2017年1月1日~2017年12月31日。

 JAOS加盟の留学事業者38社からの2017年の年間留学生数は、7万8,109人にのぼる。留学渡航国別にみると、「アメリカ」が22.9%ともっとも多く占め、「オーストラリア」21.9%、「カナダ」16.1%、「フィリピン」8.6%、「イギリス」8.5%、「ニュージーランド」7.3%などが続いた。

 留学目的別にみると、「語学留学3か月未満」が55.9%ともっとも多く占め、「中学・高校留学交換&私費(語学研修のみは含まず)」20.3%、「語学留学3か月以上」12.4%、「大学学部課程・学位目的」2.4%などが続いた。

 前回の調査と比べ、フィリピンへの留学生数は前回の6,238人から今回は6,755人と517人増加し、イギリスの6,648人を抜いて4番目に留学生が多い国になった。フィリピンへの留学生数は2016年の調査時点で3,918人だったことから、この2年間で2,837人も増加している。JAOSは「日本の中でのフィリピン留学の認知度が高まり、社会人だけでなく大学生や高校生もフィリピンを留学先に選ぶようになったことや、企業、大学、高校が研修先にフィリピンの学校を利用するようになったことが理由だと考えられる」と分析している。

 一方、アメリカとオーストラリアへの留学生の人数が減少した。特にアメリカは、前回の1万9,024人から今回は1万7,894人と1,130人減少。留学目的別にみると、語学留学目的でアメリカに行った人数が881人減と減少数がもっとも大きく、ついで「中学・高校留学交換&私費」が240人減だった。ただし、アメリカへの学士取得留学の人数は前回の680人から今回は741人と61人増えている。このことから、語学留学は減少したが、アメリカの大学に学位取得を目指す層は増加していることがわかった。
《工藤めぐみ》

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