日本大学医学部、一般入試の追加合格で不適切な取扱い

 日本大学は2018年12月12日、医学部入試において文部科学省から不適切な事案と指摘を受けたことを明らかにした。一般入試の追加合格について、卒業生の子どもを優先的に合格させていたという。

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  • 日本大学「医学部入学試験における文部科学省の指摘事項について」
 日本大学は2018年12月12日、医学部入試において文部科学省から不適切な事案と指摘を受けたことを明らかにした。一般入試の追加合格について、卒業生の子どもを優先的に合格させていたという。

 東京医科大学の不正入試を発端とした医学部入試の不正問題については、文部科学省が医学部医学科を置くすべての国公私立大学を対象に緊急調査を実施。その結果、複数の大学において不適切である可能性の高い事案が発見され、文部科学省が大学側に速やかな事実関係の確認や自主的な公表を求めていた。

 日本大学は、文部科学省による書面調査と訪問調査を受けた結果、「女性、多浪生への得点調整等については一切おこなっていないことを確認いただきました」と説明。そのうえで、一般入試の追加合格者に関して特定の受験生を優先的に合格させたとして、文部科学省から不適切な事案と指摘を受けたことを公表した。

 「特定の受験生」とは卒業生の子どもで、具体的には2018年度入試で2人、2017年度入試で9人と、この2年間で計10人を優先的に合格させていた。日本大学では、卒業生の子どもを優先していなければ合格していた受験生10人に対して早急に本人の意思を確認し、希望者は2019年度の合格者として取り扱うという。

 今後の対応については、追加合格者の補欠順位を明確に示すことを明言。全国医学部長病院長会議が示した「大学医学部入学試験制度に関する規範」、日本私立医科大学協会による「日本私立医科大学協会加盟29大学の申し合わせ事項」を遵守するとした。

 日本大学は、「高い公平性、公明性が求められる教育機関の入学試験において不適切な事案との指摘を受けたことは、受験生の皆様、在校生の皆様をはじめ、社会の皆様の信頼を損なうものであり、心からお詫び申し上げます」とコメントしている。
《奥山直美》

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