【大学受験2019】主要私大の志願状況(2/16現在)強い安全志向…都市部難関大で志願者減

 河合塾の大学入試情報サイトKei-Netは2019年2月18日、2019年度入試の「主要私立大志願状況(2月16日現在集計)」を公表した。主要104校の志願者数は前年比103%。都市部の難関大学で志願者が減少するなど、受験生の強い安全志向が指摘されている。

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 河合塾の大学入試情報サイトKei-Netは2019年2月18日、2019年度入試の「主要私立大志願状況(2月16日現在集計)」を公表した。主要104校の志願者数は前年比103%。都市部の難関大学で志願者が減少するなど、受験生の強い安全志向が指摘されている。

 「2019年度 主要私立大志願状況」は、私立の主要大学の1期入試(2月実施)志願者数が出そろった現時点の志願者集計から、2019年度入試を分析したもの。2月16日現在で志願者数が判明している全国104大学の状況をまとめている。

 2019年度の一般入試の志願者数は、全体で前年比103%とやや増加した。方式別でみると、一般方式は前年並みだが、センター方式は増加した。河合塾では、「センター試験の英語リスニング、国語の平均点が大きく上昇した影響もあるだろう」と分析している。

 2018年度入試で都市部の大規模大学の多くが合格者数をしぼり込み、文系学部を中心に一般入試が難化した反動から、前年倍率が上昇した都市部の文系学部を中心に極端に志願者が減少。「早慶上理」「MARCH」「関関同立」といった難関大学グループで志願者が減少し、受験生の消極的な出願動向がうかがえる状況となっている。

 一方、主要大学グループ以外の大学の集計項目である「上記以外の大学」は、前年比108%と志願者数が大きく伸びた。特にセンター方式では、前年比116%と高い伸びを示した。難関大学を避けながら、そのほかの大学については個別試験受験の必要がないセンター方式で増やすという安全志向が明瞭な年になっているという。

 現時点で志願者数がすでに10万人を超えている大学は、東洋大学、法政大学、明治大学、早稲田大学、近畿大学の5大学。中でも近畿大学の志願者数は、2018年度よりさらに増え、13万8,000人を超えた。一方、法政大学、明治大学、早稲田大学は2018年度より志願者が減少している。

 大学グループ別の志願状況を前年と比較すると、「早慶上理」は97%、「MARCH」は96%、「日東駒専」は99%と、いずれも減少。関西でも「関関同立」が97%と減少したが、「産近甲龍」は106%と志願者を増やした。

 大学別の志願者数を前年と比較すると、早稲田大学は95%と4年ぶりに減少。慶應義塾大学は97%で、2年連続の志願者減となった。上智大学は90%、明治大学は93%と大きく減少。法政大学は94%、立教大学は96%、青山学院大学は96%であった。

 一方、中央大学は105%、東京理科大学は107%と志願者を伸ばした。中央大学は、国際情報、国際経営の2学部の新設などが志願者増の要因。東京理科大学では、センター方式で122%と志願者増が目立った。「関関同立」では、関西大学が103%と唯一志願者が増加した。

 学部系統別の志願動向分析によると、理、工学系の志願者増が目立つ一方、人文科学、社会科学系は前年並みからやや増程度にとどまり、2018年度まで鮮明だった「文高理低」に歯止めがかかった状況にある。
《奥山直美》

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