タブレット型PC導入校の2割が「生徒1人に1台」配備、活用における課題は?

 高校でのタブレット型PCの配備状況について、導入校の19.3%が「生徒1人に1台配備」と回答しており、過去2年で10.7ポイント増加していることが、旺文社が2019年2月21日に発表した調査結果より明らかとなった。

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タブレット型PC導入校における配備状況
  • タブレット型PC導入校における配備状況
  • ICT機器(共用含む)の導入・使用状況
  • 校内での生徒私有のモバイル端末使用について
  • タブレット型PC導入予定校における配備見通し内訳
  • タブレット型PCの活用状況に対する意識
  • タブレット型PCの活用における課題
 高校でのタブレット型PCの配備状況について、導入校の19.3%が「生徒1人に1台配備」と回答しており、過去2年で10.7ポイント増加していることが、旺文社が2019年2月21日に発表した調査結果より明らかとなった。

 今回で3年目となるICT活用状況調査は、高校現場におけるICT機器の導入ならびにICT関連サービスの活用状況の実態を調べ、導入拡大・継続運用のための課題や今後必要とされるサービス内容を把握することを目的に実施。旺文社独自リストに基づく全国の国公私立高校計5,038校(中等教育学校を含む、高等専門学校・高等専修学校を除く)を対象にアンケートを依頼し、1,189校からのアンケート回答結果を分析した。調査時期は2018年12月上旬から2019年1月上旬。

 全国の高校におけるICT機器の導入・使用状況を調べたところ、「大型提示装置(電子黒板・プロジェクター)」78.5%が3年連続の回答数トップとなり、「生徒用のPC端末(デスクトップ型)」58.7%、「実物投影機(書画カメラ)」46.3%などが続いた。設置型のICT機器が多数となった一方で、「生徒用のPC端末(ノート型)」27.3%や「生徒用のPC端末(タブレット型)」36.2%など、過去2年の調査と比較すると持ち運び可能な生徒用端末の導入利用が徐々に増加していることがわかった。

 高校における生徒私有のモバイル機器端末の使用制限状況について聞いたところ、全体の7割弱の学校が「持参・使用を禁止している」と回答。一方、15.0%が「学習などの目的であれば校内で自由に使用できる」と回答しており、前回調査からは4.5ポイント増加している。こうした動きは、学校現場での「BYOD(元々は企業などの団体組織において個人所有のモバイル端末を職場に持ち込み、それを業務目的の情報端末として運用するといった取り組み)」の導入として近年注目を集めており、多くの費用をかけずにICT活用のメリットを学校現場に創出する有効な方策として期待されているという。

 タブレット型PCを「導入済み」の学校は全体の36.2%で、前回調査から3.2ポイント増加している。タブレット型PC導入校における配備状況は、「共用で学校に一定数配備」が80.7%。「生徒1人に1台配備」は19.3%で、過去2年で10.7ポイント増加している。今後タブレット型PCの導入予定があるとする高校では、54.0%が「生徒1人に1台配備」を見込んでいると回答した。

 端末の活用状況について、タブレット型PC導入校の67.7%が「十分活用できている」または「まあまあ活用できている」と回答しており、前回調査からは12.5ポイント増となった。端末の活用における課題については、「教員の活用スキルの引き上げ」74.5%がもっとも多かった。そのほか、「ネットワーク環境の整備」59.3%、「十分な端末数の配備」57.8%、「生徒の情報モラルの向上」46.3%などが続いた。中でも、「生徒の情報モラルの向上」は前回調査から6.6ポイント増となり、高校で生徒自身によるICT利用の機会が増えたことによって、情報倫理に対する教育面での課題が表面化していることがわかった。
《桑田あや》

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