大型の台風第10号、多いところで総雨量1,200ミリの大雨となるおそれ

 気象庁が2019年8月15日午前4時55分に発表した「令和元年 台風第10号に関する情報 第107号」によると、大型の台風第10号は、15日昼前から昼過ぎにかけて四国地方を通過または上陸したのち、中国地方を縦断する見込み。

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2019年8月15日午前8時現在の台風第10号の経路図
  • 2019年8月15日午前8時現在の台風第10号の経路図
  • 令和元年 台風第10号に関する情報 第109号
 気象庁が2019年8月15日午前4時55分に発表した「令和元年 台風第10号に関する情報 第107号」によると、大型の台風第10号は、15日昼前から昼過ぎにかけて四国地方を通過または上陸したのち、中国地方を縦断する見込み。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、暴風や高波に厳重な警戒を促すとともに、高潮への警戒や、落雷や竜巻などの激しい突風に注意するよう呼びかけている。

 台風第10号の位置は、8月15日午前8時50分発表の「令和元年 台風第10号に関する情報 第112号(位置)」によると、15日午前8時現在、足摺岬の西南西約70キロの北緯32度25分、東経132度25分にあって、1時間におよそ20キロの速さで北へ進んでいる。中心の気圧は975ヘクトパスカル、最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルで、中心の東側330キロ以内と西側60キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっている。また、中心の東側600キロ以内と西側500キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いている。なお、この台風は15日午前9時には、足摺岬の西約60キロの北緯32度35分、東経132度25分にあり、1時間におよそ20キロの速さで北へ進んでいるものと推定される。

 台風はこの後も北上を続け、15日昼前から昼過ぎにかけて四国地方を通過または上陸し、その後、中国地方を縦断する見込み。15日夜には日本海に達し、速度を速め、温帯低気圧の性質を帯びつつ北東に進むと考えられている。台風は、17日未明までに日本海北部で温帯低気圧に変わり、その後、北海道付近に進む見込み。

 西日本と東日本の太平洋側では、台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となっている。また、西日本太平洋側には台風周辺の発達した雨雲が流れ込んでいるため、西日本と東日本では局地的に非常に激しい雨を観測している。16日にかけては、台風本体と周辺の発達した雨雲がかかり、西日本から東日本の太平洋側を中心に広い範囲で雷を伴った非常に激しい雨が降り、局地的に猛烈な雨が降ると考えられる。

 総雨量は、西日本と東日本の太平洋側の南東斜面を中心に、多いところで1,200ミリを超える大雨となるおそれがある。普段は、比較的雨が少ない瀬戸内地方などでも大雨となると予想される。台風と台風から変わる温帯低気圧の接近に伴い、東北地方や北海道地方では16日から17日にかけて大雨となるおそれがある。このため、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風に注意するよう気象庁では呼びかけている。また「発達した積乱雲が近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。」と注意を換気している。

 なお、15日午前9時30分現在、奈良県、愛媛県、徳島県、大分県に、警戒レベル4相当の「土砂災害警戒情報」が発令されている。

 暴風・高波については西日本から東日本の太平洋側や奄美地方では、台風の影響で海上を中心に非常に強い風が吹き、うねりを伴った猛烈なしけや大しけとなっているところがある。西日本から東日本では16日にかけて、台風の接近に伴って非常に強い風が吹き、四国地方では15日朝から昼前にかけて猛烈な風の吹くところがある。また、西日本から東日本の太平洋側では15日夜にかけて猛烈にしけるところがある見込み。

 なお、14日から19日にかけては大潮の時期にあたるため、平常時の潮位が高くなっており、台風の接近・通過に伴い西日本では16日にかけて、海岸や河口付近の低地での高潮に警戒が必要。潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると波が海岸堤防を越えて浸水するおそれもあるため、高潮や高潮と重なり合った波浪による浸水などにも厳重に警戒するよう気象庁では呼びかけている。

<風・波>
16日にかけて予想される最大風速(最大瞬間風速)
 四国地方 30メートル(45メートル)
 九州北部地方 27メートル(40メートル)
 東海地方、近畿地方、中国地方、九州南部 25メートル(35メートル)
 北海道地方、北陸地方 23メートル(35メートル)
 東北地方 20メートル(30メートル)

16日にかけて予想される波の高さ
 四国地方 10メートル
 東海地方、近畿地方 9メートル
 九州北部地方 8メートル
 九州南部  7メートル
 北海道地方、東北地方、北陸地方、伊豆諸島 6メートル
 関東地方、中国地方、奄美地方 5メートル

<雨量>
16日午前6時までの24時間に予想される雨量(多いところ)
 四国地方 800ミリ
 東海地方、近畿地方 500ミリ
 関東甲信地方、九州北部地方 300ミリ 
 北陸地方、中国地方 250ミリ
 九州南部 150ミリ

17日午前6時までの24時間に予想される雨量(多いところ)
 北海道地方 200から300ミリ
 東北地方、北陸地方 100から200ミリ
 東海地方 100から150ミリ
 関東甲信地方 50から100ミリ

 なお、ウェザーニューズのアプリ「ウェザーニュース」では、台風10号のピンポイント影響予測を配信中。現在地の雨・風のピークや交通機関への影響をスマホで確認できる。また、通知サービス「お天気アラーム」にて台風10号の情報を配信。GPS機能を利用し、利用者の現在地に合わせたピンポイントの台風情報をいち早く届けてくれる。
《鶴田雅美》

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