日本にいる外国人の子ども、約2万人が不就学の可能性…文科省

 文部科学省は2020年3月27日、「外国人児童生徒等の教育の充実について(報告)」を公表。同日に公表された「外国人の子どもの就学状況等調査結果(確定値)」によると、外国人の子ども1万9,471人が不就学の可能性にあるという。

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外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議報告書(概要)
  • 外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議報告書(概要)
  • 学齢相当の外国人の子どもの住民基本台帳上の人数
  • 学齢相当の外国人の子どもの就学状況の把握状況
  • 住民登録手続きの際の就学に関する説明の実施状況
  • 住民登録手続きの際の就学に関する説明の実施状況(説明を行っていると回答した地方公共団体対象、複数回答)
  • 就学状況が不明又は不就学の外国人の子供に対する就学状況把握および就学促進のための取組状況(複数回答)
  • 教育委員会の規則における「外国人の子どもの教育」に関する規定の状況
  • 地方公共団体の規則等における外国人の子どもに係る就学案内や就学に関する手続き等に関する規定の状況
 文部科学省は2020年3月27日、「外国人児童生徒等の教育の充実について(報告)」を公表。同日に公表された「外国人の子どもの就学状況等調査結果(確定値)」によると、外国人の子ども1万9,471人が不就学の可能性にあるという。

 「外国人児童生徒等の教育の充実について」の報告は、総合教育政策局に設置した「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」によるもの。検討の背景には、日本語指導を必要とする児童生徒は2018年度に5万人を超え、母語の多様化も進行しており、新たな在留資格の創設により、今後さらなる在留外国人の増加が見込まれることなど。2019年度に初めて実施した「外国人の子どもの就学状況等調査」にて、約2万人の外国人の子どもが就学していない可能性があるか、就学状況が確認できていない状況にあることが明らかになっている。

 報告書では、基本的な考え方として、「外国人の子どもたちが将来にわたって日本に居住し、共生社会の一員として今後の日本を形成する存在であることを前提に制度設計を行うことが必要」「就学前段階や高等学校段階、学校卒業後も見据えた体系的な指導・支援、また、日本語教育のみならず、キャリア教育や相談支援などを包括的に提供する必要」を示した。また、「学齢期からさまざまなルーツを有する子どもたちがともに学習することで、国際的な視点を持って社会で活躍する人材となり得ることを重視し、指導に取り組む」としている。

 分野ごとのおもな施策では、速やかに実施すべき施策(可能なものから速やかに具体化を図り、施策として実行)、実現に向けて取り組む課題(順次、施策化に必要な制度的対応や予算を検討)を提示。たとえば「指導体制の確保」では、散在地域の指導体制構築に関し、実践研究を実施し、その成果を全国に普及することなどを、速やかに実施すべき施策にあげている。実現に向けて取り組む課題には、「GIGAスクール構想」の検討とともに、ICT教材の活用、遠隔授業の実施などの推進がある。「就学状況の把握、就学の促進」では、外国人の子どもの就学促進に関する先進事例を自治体に提供すること、教育委員会と住民基本台帳部局等の連携促進などを速やかに実施すべき施策としている。

 「外国人の子どもの就学状況等調査結果」は、同日に確定値が公表されている。調査は、文部科学省「外国人の受入れ・共生のための教育推進検討チーム」が、2019年5月16日~6月14日の期間、1,741市町村教育委員会(特別区を含む)を対象に実施。原則として2019年5月1日を調査基準日としている。

 学齢相当の外国人の子どもの住民基本台帳上の人数は、小学生相当8万7,033人、中学生相当3万6,797人の合計12万3,830人。学齢相当の外国人の子どもの就学状況の把握状況をみると、9万6,370人が「義務教育所学校」、5,023人が「外国人学校等」に就学。一方で、630人が「不就学」、3,017人が「出国・転居(予定を含む)」、8,658人が「就学状況確認できず」だった。「不就学」「就学状況確認できず」の人数に、住民基本台帳上との差1万183人とあわせると、1万9,471人が不就学の可能性があると考えられるという。

 外国人が住民登録に係る手続きを行う際、あわせて就学に関する説明を行う地方公共団体は84.3%。そのうち、「就学希望の有無に関わらず、すべての者に就学に関する説明を行っている」が51.2%、「就学希望の有無を尋ね、希望がある場合には、就学に関する説明を行っている」が37.2%、「就学希望の有無を尋ねることはしていないが、先方から就学希望があった場合には、就学に関する説明を行っている」が11.8%、「就学に関する資料配布のみ行っている」2.2%など。

 就学状況が不明または不就学の外国人の子どもに対する就学状況把握および就学促進のための取組状況について、「特に実施していない」が65.4%。なんらかの取組みを行っている地方公共団体にその内容を尋ねると、「就学案内の継続送付」が12.3%、「電話による個別確認や就学勧奨」が16.5%、「訪問による個別確認や就学勧奨」が17.1%、「その他の取組み」が3.8%だった。

 教育委員会における「外国人の子どもの教育」に関する規定の状況は、教育委員会の92.3%が「明示していない」と回答。地方公共団体の規則等における外国人の子どもに係る就学案内や就学に関する手続き等に関する規定の状況は、「規定してない」が96.3%を占めた。

 「外国人の子どもの就学状況等調査結果(確定値)」には、就学状況の把握、就学状況の把握・就学促進の取組み、各種規定の整備状況、指導体制の整備状況、支援員等の配置状況、教育委員会における研修の実施状況についてのデータを掲載している。
《黄金崎綾乃》

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