熱中症、1週間で1万2,804人が救急搬送…総務省消防庁

 熱中症により2020年8月16日までの1週間、全国で1万2,804人が救急搬送されたことが8月18日、総務省消防庁の速報値からわかった。前週(8月3日~9日)の6,664人から倍増し、前年同時期の7,639人(確定値)を5,165人上回っている。

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熱中症による救急搬送状況(週別推移)
  • 熱中症による救急搬送状況(週別推移)
  • 都道府県別熱中症による救急搬送人員(2020年8月10日~8月16日、前年同時期との比較)
  • 都道府県別熱中症による救急搬送人員合計搬送人員(2020年6月1日~8月16日、前年との比較)
  • 救急搬送状況別の速報値
 熱中症により2020年8月16日までの1週間、全国で1万2,804人が救急搬送されたことが8月18日、総務省消防庁の速報値からわかった。前週(8月3日~9日)の6,664人から倍増し、前年同時期の7,639人(確定値)を5,165人上回っている。

 熱中症とは、温度や湿度が高い中で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、体のだるさ、ひどいときには、けいれんや意識の異常など、さまざまな障害を起こす症状のこと。

 総務省消防庁が発表した速報値によると、2020年6月1日から8月16日までに熱中症で救急搬送された人は、全国で3万5,317人。このうち、8月10日から16日までの1週間で1万2,804人が熱中症で救急搬送された。前年同時期の7,639人(確定値)を上回り、前週の6,664人から急増している。

 2020年8月16日まで1週間の熱中症による救急搬送状況について、都道府県別では「東京都」1,574人がもっとも多く、ついで「埼玉県」997人、「神奈川県」920人、「大阪府」898人、「愛知県」791人、「千葉県」733人と続いている。

 初診時における傷病程度では、初診時に死亡が確認された人が30人(0.2%)いたほか、長期入院加療を要する「重症」が510人(4.0%)、入院診療を要する「中等症」が4,922人(38.4%)、入院加療を必要としない「軽症」が7,189人(56.1%)であった。

 年齢区分別では、「高齢者(65歳以上)」(61.8%)と「成人」(31.1%)で9割以上を占めたが、「少年(7歳以上18歳未満)」845人、「乳幼児(生後28日以上7歳未満)」57人、「新生児(生後28日未満)」1人と、子どもの救急搬送も7.0%あった。

 発生場所は、「住居」が48.3%と約半数を占めた。ついで、「道路」18.6%、「公衆(屋外)」11.3%など。幼稚園・保育園・小学校・中学校・高校・大学など「教育機関」も2.0%あった。

 総務省消防庁によると、熱中症による救急搬送者増加の要因として、気温や湿度の上昇が関係していることがわかっている。家の中でじっとしていても室温や湿度が高く、体から熱が逃げにくく熱中症になる場合があるため、注意が必要となる。

 熱中症予防のポイントは、「部屋の温度をこまめにチェック」「のどが渇かなくてもこまめに水分補給」など。総務省消防庁のWebサイトでは、熱中症の予防法や対処法、救急車を呼ぶタイミングなどを紹介している。
《奥山直美》

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