予防対策、手洗い・マスクは約9割…感染症の認知は進まず

 手洗いやマスク使用は9割近くの人が実践し、新型コロナウイルス感染症流行を経て「感染症への関心が高まった」という人も6割を超えることが2020年11月、日本感染症学会と日本環境感染学会の調査結果からわかった。ただ、感染症全般の認知や理解は進んでいなかった。

生活・健康 その他
感染症の予防のために行っていること
  • 感染症の予防のために行っていること
  • 新型コロナウイルス感染症予防対策の重要度
  • 自身が発熱したときの感染に対する意識
  • 人と会うときの感染症に対する警戒心の変化
  • 新型コロナウイルス流行後、感染症への関心度の変化
  • 感染症の認知度
  • 東京オリンピック・パラリンピックに対する気持ち
 手洗いやマスク使用は9割近くの人が実践し、新型コロナウイルス感染症流行を経て「感染症への関心が高まった」という人も6割を超えることが2020年11月、日本感染症学会と日本環境感染学会の調査結果からわかった。ただ、感染症全般の認知や理解は進んでいなかった。

 「感染症に関する意識・実態調査」は、感染症予防連携プロジェクト「FUSEGU2020」の活動として10月9日~12日、首都圏に住む20~60代の男女1,000人を対象に実施した。新型コロナウイルス感染症の流行初期段階にあたる2月28日~3月2日にも同様の趣旨の調査を行っており、今回は感染拡大の波を経た変化を追いつつ、あらためて現在の意識を探っている。

 感染症の予防のために行っていることは、「手洗い」87.7%、「マスクの使用」87.4%、「手の消毒」65.9%。いずれも前回調査時より増加しており、感染症予防の基本対策は多くの人が実施していた。

 新型コロナウイルス感染症予防対策の重要度として、「とても大切」「大切」と回答した割合は、「公共交通機関に乗る際にマスクをする」82.1%、「帰宅後にはすぐに手洗いをする」81.1%、「マスクをしていても3密の場所には行かない」69.0%の順に多かった。感染予防策が「大切である」という意識は女性のほうが高く、若い男性で低い傾向にあった。

 自身が発熱したとき、「人にうつる病気であることを意識する」と回答した人は、前回調査の45.7%から、69.4%に上昇。新型コロナウイルス感染症など「感染症をうつされるかもしれない」という警戒心が引き締まるのは、「職場の同僚」39.6%、「近所の知り合い」39.1%、「友人」33.9%、「別居している家族・親族」25.6%、「同居している家族・親族」12.4%の順に高かった。

 新型コロナウイルス感染症が流行してから、ほかの感染症に対する関心が「非常に高まった」「やや高まった」という人は、全体の61.2%にのぼった。その一方で、新型コロナウイルス感染症以外の感染症の認知や理解は進んでいない現状にあり、認知度は「インフルエンザ」が77.7%と高いものの、「流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)」48.8%、「麻疹(はしか)」45.6%、「風疹」42.6%、「水痘」35.9%、「B型肝炎」19.7%、「A型肝炎」12.9%、「侵襲性髄膜炎菌感染症」5.5%にとどまった。

 また、東京オリンピック・パラリンピックを「楽しみにしている」という人は、前回の52.8%より減少したものの、44.6%と4割以上あった。
《奥山直美》

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