コロナ禍で「収入ゼロ」12.7%、子供の生活や学習にも影響…SCJ調査

 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは2021年9月22日、「夏休み子供の食応援ボックス」利用者アンケートの結果を公表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3割の世帯で収入が半分以上減少し、1割以上の世帯は収入ゼロの状態にあった。

生活・健康 保護者
収入が減少した割合
  • 収入が減少した割合
  • 新型コロナウイルス感染症拡大の仕事への影響
  • 「夏休み子供の食応援ボックス」の申込理由
  • 支払い困難の経験
  • 子供の生活・学習について
  • 子供の遊び・体験の機会について
 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は2021年9月22日、「夏休み子供の食応援ボックス」利用者アンケートの結果を公表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3割の世帯で収入が半分以上減少し、1割以上の世帯は収入ゼロの状態にあった。経済的な影響は、子供の生活や学習、養育者の精神的余裕等、多岐にわたっていた。

 「夏休み子供の食応援ボックス」は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象区域と定められた21都道府県において、所定の要件を満たす世帯に食料品セット等を配布する取組み。2021年7月に配布した3,182世帯のうち、3,143世帯からアンケートを回収した。

 新型コロナウイルス感染症拡大の仕事への影響については、「勤務時間や日数が減った」41.8%、「休業になった」16.9%、「失業した(解雇・雇止め・倒産・廃業にあった)」15.7%と、マイナスの影響が出た人が60.5%に及んだ。

 家庭の収入への影響では、「収入に変化はない」は20.8%、「収入が増えた」は0.1%にとどまり、収入が減った世帯は7割を超えた。このうち、収入が半分以上減少した世帯は約3割を占め、「収入がゼロになった」と回答した世帯も12.7%あった。

 「夏休み子供の食応援ボックス」に申し込んだ理由は、「十分な量の食料を買うお金がない」58.0%、「今後長期休暇に入り給食がなくなるため食費が心配」55.3%が多かった。過去1年間に経済的な理由で支払いが困難になったことは、衣料品で84.1%、食料品で76.5%、衛生用品で68.9%、文房具・教材費で61.7%が経験していた。

 子供の生活や学習に関する困りごとでは、「子供のストレスがたまっている」64.0%、「経済的な理由によって、子供を学習塾や習い事に通わせることができない」56.9%、「経済的な理由により、子供が希望する進路を変更したり、あきらめさせなければならない」34.3%の順に多かった。「コロナ禍で子供の体重が減った」6.1%、「長期休暇に子供の体重が減少してしまう等発育面が心配」10.9%という回答もあった。

 子供の遊び、余暇活動、さまざまな体験の機会に関して困っていることや心配なことでは、「経済的な理由によって、子供が遊ぶもの・運動するものが買えない、足りない」が47.2%と最多で、「子供と一緒に遊んだり、話を聞いたりする時間が少ない、気持ちの余裕がない」が45.1%と続いた。

 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは調査結果を受けて、長期休暇中の子供たちの食の状況の改善、経済的に困窮する子育て世帯への継続的な現金給付策を迅速に講じるよう国や自治体に求めていく。今後も継続的な食料支援を行うとともに、経済的に厳しい状況にある世帯が抱える現状を把握し、子供の貧困対策の政策・施策が充実するよう、国や自治体への働きかけを続けていくとしている。
《奥山直美》

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