セクハラ減らず、ハラスメントの種類や対象に幅も…東京大学

 東京大学は、2007年度を最後に中断されていたセクハラに関する調査を再開、2020年度「東京大学におけるダイバーシティに関する意識と実態調査」報告書を公表。セクハラ経験者比率に減少はなくハラスメントの種類や対象は幅を見せており、同学は今後の施策策定に役立てる。

教育・受験 大学生
2020年度「東京大学におけるダイバーシティに関する意識と実態調査」報告書
  • 2020年度「東京大学におけるダイバーシティに関する意識と実態調査」報告書

 東京大学は、2007年度を最後に中断されていたセクハラに関する調査を再開、2020年度「東京大学におけるダイバーシティに関する意識と実態調査」報告書を公表。セクハラ経験者比率に減少はなくハラスメントの種類や対象は幅を見せており、同学は今後の施策策定に役立てる。

 調査は、2020年12月15日~2021年1月31日にかけて全学生・教職員を対象に初めてオンラインで実施、最終的には全学生の25.6%、全教職員の26.0%から回答が得られた。回答者の性別は、学生では「女性」30.2%、「男性」65.7%、「その他」0.9%、「回答しない」2.8%、性別無回答が0.4%で、教職員では「女性」46.1%、「男性」49.7%、「その他」0.2%、「回答しない」3.3%、性別無回答が0.7%だった。

 2020年度の調査では、内容も時代にあわせてアップデート。オンラインハラスメントの実態の探索や、性の多様性に関する質問項目も導入し、セクシュアルハラスメント行為にあたるかどうかの質問に関しては、相手方行為者の属性やプロフィールごとに質問。これによって、約4万人の構成員を擁する東京大学コミュニティにおいて、学生、教員、職員等の立場ごとに生ずる問題や改善すべき課題を見つけやすくした。

 東京大学では、2021年10月に藤井輝夫総長が「対話から創造へ」「多様性と包摂性」「世界の誰もが来たくなる大学」の3つの基本理念を柱とする新たな基本方針「UTokyo Compass」を公表しているが、同学では、今回の2020年度の報告書がこれらの基本理念を実現する土台となる「誰もが居心地よく過ごせるキャンパスづくり」を進めるための重要かつ実用的な資料となると位置付けている。

 なお、報告書の詳細版は300ページに及んでおり、その「概要版」や「英文版」(英文の詳細版は後日掲載予定)もあわせて公表されている。

《増田有紀》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top