社会課題への関心が「幸せな活躍」に影響…立教大ら調査

 「ハタチからの『学びと幸せ』探究ラボ」は、若年就業者の学びに関する調査結果を発表した。「幸せな活躍」には、学びの主体性や人を巻き込んでいく特性、社会課題への関心が影響することがわかった。

教育・受験 その他
幸せな活躍状態の定義
  • 幸せな活躍状態の定義
  • 幸せな活躍の学び実態
  • ソーシャルラーニングの高低と幸せな活躍層の割合
  • ソーシャルラーニングの実態
  • ソーシャルエンゲージメントの高低と幸せな活躍層の割合
  • ソーシャルレリバンスの高低と幸せな活躍層の割合

 ベネッセ教育総合研究所・立教大学中原淳教授・パーソル総合研究所による「ハタチからの『学びと幸せ』探究ラボ」は、若年就業者の学びに関する調査結果を発表した。「幸せな活躍」には、学びの主体性や人を巻き込んでいく特性、社会課題への関心が影響することがわかった。

 調査は、2021年11月5日から11月8日の期間に、有期雇用を除く25~35歳の全国の大卒・院卒の就労者(業種・職種は不問)2,000名を対象にインターネットで実施。「働くことを通じて幸せを感じている」等の7項目を「個人の主観的な幸せ」として、「顧客や関係者に任された役割を果たしている」「担当した業務の責任を果たしている」等の5項目を個人の「活躍」としてそれぞれ測定したうえで、全体分布の中で両者の値がともに高い層を「幸せな活躍層」として定義して調査を行った。

 学習と仕事成果の関係を調べたところ、「幸せな活躍」をしている若年就業者は、若年層全体と比べて「学びや学習に前向きにとりくんでいる」割合が1.8倍多く(57.1%)、社内勉強会への参加や主催、勤務時間外の研修参加等、業務以外の学習行動も多いことがわかった。

 学び方については、人を巻き込んで学ぶ「ソーシャル・ラーニング」の特性が高い層(平均以上)と低い層(平均未満)で比較すると「幸せな活躍」をしている人の割合が4.0倍となり、「幸せな活躍」層のソーシャル・ラーニングの具体的な行動割合は全体平均のおよそ2倍だった。 

 また、若年層の関心・意識を分析すると、社会課題解決への意識の強さを示す「ソーシャル・エンゲージメント」の高さが「幸せな活躍」にプラスの影響を与えており、「ソーシャル・エンゲージメント」が高い層(平均以上)と低い層(平均未満)で比較すると「幸せな活躍」をしている人の割合が4.5倍となった。

 「今の仕事や今の会社の活動が社会への貢献につながっている」という感覚である「ソーシャル・レリバンス」も若年就業者の「幸せな活躍」にプラスの影響が見られ、「ソーシャル・レリバンス」が高い層(平均以上)と低い層(平均未満)で比較すると、「幸せな活躍」をしている人の割合が3.2倍多い結果となった。

《増田有紀》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top