育休取得、パパの気持ちと現実に大きなギャップ

 育児休業について、「未来のパパ」の約半数が1ヶ月以上の育休取得を希望するも、実際には約8割が1週間以下の短期間という現実が、ピジョンが2022年3月9日に公表した調査結果から明らかになった。

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育児・介護休業法の改正に伴い、自身の勤務先に育休制度が導入された際、将来子供ができたときに育休を取得したいか(自身の現在の勤務先の状況に関わらず、純粋な意向)
  • 育児・介護休業法の改正に伴い、自身の勤務先に育休制度が導入された際、将来子供ができたときに育休を取得したいか(自身の現在の勤務先の状況に関わらず、純粋な意向)
  • 子供の出産から生後1年までの間に、出産や育児のために育休や有給休暇を取得したか
  • 育休を取るとしたら、どの程度の期間で取得しようと思うか
  • なぜ育休を取得したい・したのか
  • 育休を取得したくなる理由
 育児休業について、「未来のパパ」の約半数が1か月以上の育休取得を希望するも、実際には約8割が1週間以下の短期間という現実が、ピジョンが2022年3月9日に公表した調査結果から明らかになった。

 育休に対する意識調査は、全国の25~39歳の既婚男性計7,345名を対象に改正育児・介護休業法が4月1日より施行されることを受け実施した。調査期間は2022年1月21日~1月26日。

 まず「育児・介護休業法の改正に伴い、自身の勤務先に育休制度が導入された際、将来子供ができたときに育休を取得したいか(自身の現在の勤務先の状況に関わらず、純粋な意向)」という問いに対して、将来子供を持つことを考えている男性(プレプレパパ)の68.4%が「育休を取得したい」と回答した。さらに、現在パートナーが第1子妊娠中の男性(プレパパ)の64.9%も同様に回答し、「未来のパパ」全体での育休取得意向は67.7%と約7割。「未来のパパ」の育休取得への関心が高いことがわかった。

 「未来のパパ」の約7割が育休の取得意向を示した一方で、子供を1人以上持つパパに対する「子供の出産から生後1年までの間に、出産や育児のために育休や有給休暇を取得したか」の問いには、全体の50.4%が「(育休も有給休暇も)取得していない」と回答した。また、育休制度を利用して休暇を取得した割合に限ると、取得率は26.4%と低い結果に。「育休を取得したい」という男性の気持ちと、実際の育休取得率との間に、大きなギャップが生じていることが明らかとなった。

 次に「育休を取るとしたら、どの程度の期間で取得しようと思うか」の問いに対して、「1か月以上」と回答した「未来のパパ」が約5割近くであるのに対し、実際に1か月以上の育休を取得出来たパパは1割強に留まるどころか、パパの8割弱が1週間以下の短期間でしか育休を取得できていない実態が浮き彫りになった。

 育休取得を望んでいない男性に対し「なぜ、育休を取得したくないと思っているか」の問いでは、「所得が減ることに不安がある」の回答が46.8%でトップだった。ついで「今後のキャリアへの影響」が24.2%、「職場に迷惑がかかる」と「勤務先が育休を取得しづらい雰囲気がある」がそれぞれ22.6%だった。

 割合は低かったが、「取得することのメリットがわからない」が9.7%、「自分が育休を取得する必要性を感じていない」が8.1%で、パパの育児参加の必要性を感じていない人もいることがわかった。

 育休取得率を高めるためには、収入面のサポートを含めた育休制度の整備に加え、職場での業務を引き継ぐ体制づくりや、育休取得に対しての職場・同僚からの強い勧めが、重要と言える。

 育休の取得意向のある「未来のパパ」と、実際に育休を取得した経験のあるパパに対して、「なぜ育休を取得したい・したのか」と尋ねたところ、「妻・パートナーの体調や精神的負担が心配」の他、「自分の子供の成長が見たい」や「夫婦で一緒に子育てしたい」といった回答が、子供の有無に関わらず上位となった。

 「未来のパパ」よりも、実際に育休を取得したパパの回答割合が高かった理由のひとつに「妻・パートナーに頼まれた」が11.9%で職場での育休制度整備や取得に対して前向きな雰囲気づくり以外に、妻・パートナーからの働きかけが男性の育休取得のきっかけや後押しとなることがわかった。

 育休を取得したくなる理由として、もっとも高いのは「給料が減らなければ」が47.6%、ついで「勤務先から取得に対しての強い後押しがあれば」が43.4%、「自分が休んでいる間の勤務先の体制が整っていれば」が30.6%となっており、勤務先の対応を望む声が多い結果となった。勤務先から後押しされたり体制整備が進んだりすることで、安心して育休を取得できると考えていることが本調査から示された。

 ピジョンは、「各職場での自助努力だけでは、育休取得を推進するための体制整備には限界があることも事実。今回改正された育児・介護休業法をはじめとした法整備の他、育休中の所得減を補う制度を整えるなどの改善が国にも求められている」と考察している。
《鈴木あさり》

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