【大学受験】理系難関大に合格するための戦略的学習計画法「プランブロック」とは

 努力をともなう着実な方法で難関大学に、より高い確率で合格するための秘訣を伝授する草下靖也氏の著書「プランブロック式 ゼロから理系難関大学に合格できる 戦略的学習計画法」(KADOKAWA)より、「プランブロック」の活用法を紹介する。

教育・受験 高校生
プランブロック(PB)とは!?
  • プランブロック(PB)とは!?
  • 各ブロック目標が達成できているかチェックして、次のブロックへと進む!
  • 課題の優先度をもとにプランブロックを調整する(色が濃いほど優先度が高い)
  • 下から上へと課題を正しく積み重ねていくことで学力がどんどん高くなっていく!
  • ひとつのブロックにはひとつのテーマ課題
 大学受験を控える生徒たちの「不安」。その不安の原因の大部分は「先行きが漠然としていて、何をどうしていけば目標が叶えられるか「具体性」がないこと」ではないだろうか。難関大学の競争倍率は、全国から優秀な高校生が集まる中で5倍を超えることも多々あり、合格を掴むために多くの時間を学習に費やす必要がある。

 東京都内の個別指導専門塾「生徒派」で15年以上、大学受験生を指導している草下靖也氏は、「生徒ひとりひとりに対して適切な『戦略的学習計画』、すなわち『受験勉強の全体像』を示すことによって、生徒たちがより『広い視野』と『具体性』、そして『自信』をもって勉強できていることが、合格を掴む大きな要因だ」という。

 決して魔法のような方法ではなく、努力をともなう着実な方法で難関大学に、より高い確率で合格するための秘訣を伝授する同氏の著書「プランブロック式 ゼロから理系難関大学に合格できる 戦略的学習計画法」(KADOKAWA)より、「プランブロック」の活用法を紹介する。

「大学受験は難しい」その理由



 プランブロックについて説明する前に、まず「大学受験(本書では一般入試形式のもの)」の話をしよう。よく「大学受験は難しい」と言われるが、諸君はその理由を説明できるだろうか? 理由にはいろいろあるだろうが、以下に示すような大学受験ならではの特徴が「大学受験は難しい」といわれる理由だろう。

知識量・練習量が膨大


(難関大学に合格する学力をつけるための総学習時間は4000時間と言われている!)

競争倍率が高い


(難関大学では倍率が5倍~10倍になることも珍しくない。さらに医学部では20倍を超えることも!)

問題の難易度が高く、思考力と処理能力が必要


(例えば大学受験の数学の2次試験では、1問解くのに30分以上かかる問題もたくさんある)

 こうした理由から、たくさんの時間をかけたとしても“ただ勉強をやっているだけ” では、膨大な量の知識と、深い思考力・処理能力を本番までに習得できるかわからないし、5~10倍の倍率となる競争においてライバルたちに差をつけることも難しいのではないだろうか。

 つまり、大学受験における高い競争率を勝ち抜くために身につけるべき知識と技能は、ほとんどの人にとって今まで経験したことのない圧倒的な分量とレベルを誇り、たくさんの時間をかけたとしても、「ただ勉強をするだけ」では習得し切れない。それが「大学受験は難しい」と言われる理由である。 では、どうすれば必要な知識・技能を本番までに確実に習得し、ライバルたちに差をつけることができるのか?

 そこで必要となるのは「戦略」と「戦術」だ。「戦略的に学習する」ということは、すなわち『計画的に学習する』ということであり、「戦術をもって学習する」ということは、すなわち『正しい方法で勉強する』ということだ。本書では特に「戦略的な学習」、すなわち『計画的な学習』がしやすくなるよう、筆者が15年の指導経験を注いで開発した“プランブロック” を紹介している。もちろん、戦略的な学習を実行するための「戦術」、つまり『正しい学習法』も紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。

プランブロック(PB)とは!?



プランブロックとはおおまかな学習計画を積み木にたとえたもの!


 ✓学力=積み木(ブロック)を積む高さ
 ✓学習時間=ブロックの大きさ
 ✓課題の優先順位=ブロックの色の濃さ 
 として表している。

 例えば、英語の同じ課題を学習したとしても“ただやっているだけ” の人と、“計画的にやっている” 人の違いをプランブロックで示すと以下のようになる。

プランブロックの使い方は簡単!下から順に課題をこなしていくだけ!


 プランブロックに従って、積み木を積むように下から課題をこなしていくだけで、誰でも計画的な学習ができる。一段ずつ着実に学力を積み上げていくイメージで、同じ段にある課題は原則的に同じ時期に同時並行で行おう。

各ブロック目標が達成できているかチェックして、次のブロックへと進む!


 プランブロック(PB)のブロックには、ひとつひとつにブロック目標があるので、目標が達成できたら次のブ
ロックに進む。具体的なブロック目標については各科目PB(本書内P47~)を参照。

自信をもって勉強するためのPBの特徴3つ


 ✓自分がやるべき課題と順序を可視化できる!
 ✓今自分がやっている課題が全体のどの位置かわかる!
 ✓自分用にカスタマイズできる!

 科目別PBは、それぞれのブロックを課題の優先度順に色分けしてあるので、取捨選択ができるようになっている。例えば受験本番までの残り時間が短く、自分の志望校でリスニングの出題がない場合には、以下の例のように、色が薄い(=優先度が低い)「LS(リスニング& スピーキング)」ブロックを除くこともできる。すると、その分最終的に積み上げられるブロックの高さは少し低くなるが、時間を節約することができる。自分の目標と現在の状況に応じてベストなPBを作ろう。

PB(プランブロック)の見方


 下から上へと課題を正しく積み重ねていくことで学力がどんどん高くなっていく!
 本来、様々な能力が複雑に積み重なったものが「学力」。PBではそれを科目ごとに可視化してあるので、「今何をすればいいのか」が一目瞭然!

ひとつのブロックにはひとつのテーマ課題


 科目ごとのPBを構成している単一ブロックにはそれぞれひとつずつテーマ課題がある。それぞれのテーマが習得できるように学習を進めよう。

PBの高さ、ブロックの大きさ、色


高さ:PBの高さは学力の高さを反映している。下にあるブロックの課題から学習をスタートし、上にブロックを積み上げるほど学力が高くなるイメージをつかんでもらいたい。
大きさ:それぞれの単一のブロックの大きさは、各ブロックの習得にかかるおおよその時間を反映している。
色:優先順位が高い課題ほどブロックの色はより濃く塗ってある。
 これらはあくまでおおよその目安だが、学習の見通しを視覚的に認識できることで、計画的な学習がしやすくなるだろう。

PBの段


 PBの段はやや広い期間における学習段階(ステージ)を示している。1段をひとつのステージとして各ステージの名称(例:精読期)とおおよその学習期間の目安を記している。同じステージの課題は原則的に同じ時期に同時進行で行う。

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 本書には、実際に書き込んで使うことができる「別冊 書き込みプランBOOK」が付属している。大学受験に向けて、教科ごとの課題と計画を可視化してみてはいかがだろうか。

プランブロック式 ゼロから理系難関大学に合格できる 戦略的学習計画法

発行:KADOKAWA 著・イラスト:草下靖也/監修:山本咲希
<著者プロフィール>
●草下靖也:東京大学教育学部卒。都内で運営する個別指導専門の進学塾「生徒派」は入塾1年待ちという人気を博している。また、徹底的にこだわり抜いたオリジナル教材・カリキュラムを強みとする化学専門予備校「花塾」を立ち上げ、現場の最前線で日々生徒たちに全力で向き合っている。ブログやSNSは苦手なのでやっていない。持てる力の全てを生徒の指導、教材作り、講師の育成に注ぎ続けている。対話ができる個別指導と、徹底的に学習者の視点にこだわった教材作りを生きがいとする職人肌。医学部受験指導を最も得意としている。
●山本咲希:北里大学薬学部卒。大学では首席表彰を受けている。薬剤師として勤めながら、弱冠24歳にして学習塾「生徒派」顧問を兼任、「生徒派」を業界一ホワイトで充実した職場環境にするためアルバイトや社員の働き方、システム改革を行い、その内部充実のおかげで今や入塾1年待ちという塾へと変貌させた立役者。生徒一人一人に寄り添いながら、各々のポテンシャルを最大限に引き出し、担当生徒を毎年医学部・難関大学合格に導いている。さらに全国の塾・予備校の良さと持ち味にアジャストした教務コンサルティングで活躍している。

《リセマム》

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