中退理由「コロナが関係している」23.4%、過去3年間で最多

 企業向けの教育研修事業と若年層向けの就職支援事業を展開するジェイックは2022年10月26日、2022年度上半期の中退データ集を公開した。中退理由にコロナが関係していると回答した割合は23.4%で、過去3年間で最多。

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新型コロナウイルスがなければ中退していなかったかと思うか
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  • 実際に中退をしたのは(する予定なのは)入学後何年目か
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 企業向けの教育研修事業と若年層向けの就職支援事業を展開するジェイックは2022年10月26日、2022年度上半期の中退データ集を公開した。中退理由にコロナが関係していると回答した割合は23.4%で、過去3年間で最多。

 調査は、ジェイックが運営する中退者向け就職支援サービス「ジェイック就職カレッジ中退者コース」の受講生を対象に実施。調査期間は2022年4月1日~9月30日。回答者数は173人。

 文部科学省は2022年6月3日、国公私立大学、短期大学、高等専門学校を対象に2021年度末時点での学生(中退者、休学者等)の就学状況を調査した結果、2021年度の中退者数は5万7,875人で、このうちコロナ禍を中退理由にあげた学生は2,738人と、前年度の2,024人に比べ、35.3%増加したと発表している。

 今回の調査で「中退理由に、新型コロナウイルスが関係している」と回答した中退者は23.4%。2020年度通期が14.0%、2021年度通期が15.5%だったことから、過去3年間で最多となっている。コロナ禍の影響が時間をおいて出てきていることがうかがえる。

 「実際に中退をしたのは(する予定なのは)入学後何年目か」と尋ねたところ、「4年目」が25.1%で最多、ついで「3年目」19.9%となっている。「3年目」と回答した人には、緊急事態宣言が発令された2020年4月に入学した人も含まれており、こうした人は「受験時には予想もしなかった大学生活を余儀なくされた」と感じている可能性が高い。また大学4年生についても、「大学2年目からオンライン授業に切り替わった」「アルバイトやサークル、部活動、友人との交流等が思うようにできなくなった」といった変化があったことが考えらえる。

 ジェイックでは、以前より、学生が中退に関する相談ができる窓口を用意し、電話相談や対面カウンセリングで学生の悩みや状況にあわせたアドバイスを行ってきた。2020年5月には、新型コロナウイルスの影響で中退を検討する大学生が増加したことから、コロナウイルスの影響による中退者および中退検討者専用の相談窓口「コロナ中退119番」を設置。電話やWebで、今後の進路や中退後の就職についての相談・情報収集のサポートを行っている。


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《中川和佳》

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