下宿生の仕送り、82年以降最少6万7,650円…大学生協調査

 全国大学生活協同組合連合会(大学生協)は2023年3月1日、「第58回学生生活実態調査」の概要を公表した。下宿生の仕送り額は6万7,650円で、1982年以降で最少となった。自宅生、下宿生ともに行動制限緩和にともなう支出費用が増加している。

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下宿生の仕送り金額分布
  • 下宿生の仕送り金額分布
  • 1か月の生活費(自宅生)
  • 1か月の生活費(下宿生)
  • 現在アルバイトをしている
  • 学生生活は充実している

 全国大学生活協同組合連合会(大学生協)は2023年3月1日、「第58回学生生活実態調査」の概要を公表した。下宿生の仕送り額は6万7,650円で、1982年以降で最少となった。自宅生、下宿生ともに行動制限緩和にともなう支出費用が増加している。

 学生生活実態調査は、1963年より毎年秋に実施(未実施年あり)している。第58回は2022年10~11月、全国の国公私立大学の学部学生を対象にWebで実施、30大学生協から9,126人の回答を得た。

 自宅生の収入合計は、前年比720円増の6万4,350円。費目別では、「アルバイト」が前年比1,050円増の4万910円。「アルバイト」の収入構成比は63.6%で、1970年以降最大となった。家庭からもらう「小遣い」は1万980円と、前年より610円増加した。支出合計は、前年比610円増の6万3,580円。費目別では、「教養娯楽費」が前年比1,470円増の1万3,410円、「交通費」が前年比1,350円増の9,340円、「食費」が前年比850円増の1万1,390円等。収入増以上に行動制限緩和にともなう費用が増加し、「貯金・繰越金」が減少している。

 下宿生の収入合計は、前年比990円減の12万4,290円。費目別では、「仕送り」が前年比4,230円減の6万7,650円と、1982年以降最少額となった。仕送り「0」は全体の8.3%、「5万円未満」は全体の18.4%で、いずれも前年より増加している。「アルバイト」は、前年比3,210円増の3万2,340円。「奨学金」は、前年比260円増の2万640円。下宿生の奨学金受給者は、収入の45.5%を奨学金が占めており、「仕送り」は非受給者より4万5,540円少ない。

 下宿生の支出合計は、前年比1,410円減の12万3,630円。費目別では、「食費」が前年比550円減の2万4,130円となり、支出構成比が19.5%と2年連続で20%を下回った。仕送り額が減額する中、自宅生と同様に行動制限緩和にともなう費用が増え、「食費」をはじめとする諸費用や「貯金・繰越金」が減少している。

 2022年4~9月の半年間におけるアルバイト就労率は79.8%。2022年10~11月時点の就労率は72.1%。いずれも前年より回復傾向にあるが、2019年のコロナ禍前には戻っていない。学年別の現在のアルバイト就労率は、1年生64.5%、2年生77.8%、3年生75.6%、4年生71.0%となった。

 一方、学生生活が「充実している」と回答した学生は87.5%と、前年から8.9ポイント増加した。特に1年生は90.5%と、比較できる1983年以降最高となった。対面講義が大幅に復活し、さまざまな行動制限が緩和される中で、学生生活充実度はコロナ禍前の2019年の水準にほぼ回復したという。

《奥山直美》

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