【大学入学共通テスト2023】受験生の共テ離れ検証…旺文社

 旺文社教育情報センターは2023年3月15日、「2023年共通テストの結果を総まとめ!」と題した2023年度大学入学共通テストのビジュアルデータ分析をWebサイトに公開した。受験生の共通テスト離れについて、志願者数や受験者数等のデータをもとに検証している。

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大学受験生における共テ志願者の割合、受験科目数別受験者数 (c) 2023 旺文社 教育情報センター
  • 大学受験生における共テ志願者の割合、受験科目数別受験者数 (c) 2023 旺文社 教育情報センター
  • 2023年度大学入学共通テスト(本試験)平均点等一覧(確定) (c) 2023 旺文社 教育情報センター

 旺文社教育情報センターは2023年3月15日、「2023年共通テストの結果を総まとめ!」と題した2023年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)のビジュアルデータ分析をWebサイトに公開した。受験生の共通テスト離れについて、志願者数や受験者数等のデータをもとに検証している。

 「2023年共通テスト ビジュアルデータ分析」は、大学入試センターが2月6日に発表した「実施結果の概要」をもとに旺文社教育情報センターが2023年度共通テストの結果を検証したもの。

 全体結果によると、共通テストの志願者数は51.3万人で5年連続減少し、受験者数も47.4万人と減少傾向にある。現役志願率は前年に続き過去2番目に高い45.0%となったが、大学受験生全体では共通テスト志願者の割合は2018年の78.1%から2023年は74%程度(旺文社予測値)までダウンしており、受験生の中では「共テ離れ」が進んでいるという。

 受験科目数別にみると、おもに国立大志望の「7科目以上」を受験した層も減っているが、おもに私立大専願の「3科目以下」の受験層の減少が大きくなっている。旺文社教育情報センターでは「私立大専願層における『共テ離れ』の最大の要因は、共テの思考力問題だろう」と分析。「共テの思考力問題はクセが強く、私立大独自入試の対策とも異なる。ここに時間を費やすなら私立大は独自入試でチャレンジしたほうが効率的、と考える受験生も出たはずだ」とし、センター試験と比べて共通テストは「勉強コスパが低い」試験になりつつあると指摘している。

 基幹3教科の平均点合計(国語+数学IA+数学IIB+英語=600点満点)は、前年比26.5点増の339.0点。5教科6科目の加重平均点(国語+数学2科目+外国語+地歴公1科目+理科1科目=800点満点)は、前年比29.0点増の453.9点。いずれも前年から大幅アップしたが、センター試験を含めた過去34年間の中で平均点をみれば低いという。

 2021年から始まった9段階の成績表示「スタナイン」についても解説。現在の一般選抜はほとんどの大学が合計点で合否を決めているため、不得意科目があっても合計点が良ければ合格できるが、スタナインは「全教科まじめに勉強してきた受験生がほしい」といった場合に有効だという。現在、スタナインを入試に利用している大学はほとんどなく、2023年度入試で静岡理工科大学(情報学部コンピュータシステム学科データサイエンス専攻の一般選抜)が利用したのが初。2025年度の新課程入試では、鳥取大学(工学部化学バイオ系、社会システム土木系学科の総合型II)が利用を検討しているという。

 「2023年共通テストの結果を総まとめ!」では、科目別結果や得点調整についても掲載している。

《奥山直美》

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