本格的な暑さの前に…熱中症は早めの予防と速やかな処置を

 地域によってはすでに30度以上の真夏日が観測される等、厳しい暑さによる熱中症の被害が年々深刻化している。今年も早めの熱中症対策が必要になると考えられることから、消費者庁は2023年5月8日の「子ども安全メールfrom消費者庁」で早めの熱中症対策について呼びかけた。

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子ども安全メール from 消費者庁 Vol.626
  • 子ども安全メール from 消費者庁 Vol.626
  • 環境省「熱中症予防情報サイト」全国の暑さ指数(実況と予測:5月9日10時現在)

 地域によってはすでに30度以上の真夏日が観測される等、厳しい暑さによる熱中症の被害が年々深刻化している。今年も早めの熱中症対策が必要になると考えられることから、消費者庁は2023年5月8日の「子ども安全メールfrom消費者庁」で早めの熱中症対策について呼びかけた。

 「子ども安全メールFrom消費者庁」は、おもに0歳~小学校入学前の子供の思わぬ事故を防ぐため、定期的に注意喚起を行う消費者庁のメール配信サービス。5月1日~9月30日は政府が推進する「熱中症予防強化キャンペーン」期間でもあり、今回は「早めの熱中症予防!症状が現れたら速やかな処置を!」と題したメールを配信している。

 日本における暑さは年々厳しさを増し、夏場の酷暑だけでなく、暑い時期の長期化、早期化もみられる。地域によってはすでに真夏日が観測される中、熱中症の予防には早めの対策が不可欠だという。普段から徐々に暑さに身体を慣れさせる「暑熱順化」の取組みや、エアコン・扇風機の適切な利用、こまめな水分補給、通気性の良い服装で帽子等の日よけ対策をする、無理をせず適度に休憩する、といった熱中症予防行動を積極的に取るよう呼びかけている。

 医療機関から消費者庁・国民生活センターに寄せられた子供の熱中症に関する情報によると、「午前中1時間ほど校庭と体育館で体力測定を実施、終了後に頭痛・嘔吐、顔色不良となり保健室へ移動。水分摂取しつつ身体を冷やすも嘔吐が5~6回続いたため救急要請、診察までの間にも複数回嘔吐した。熱中症・脱水症と診断された(9歳)」「午前中2時間ほど屋外のプールで遊んでいた。あまり水分を摂取しておらず、昼ご飯も食べていなかった。昼より発熱・頭痛・倦怠感があり受診。熱中症と診断された(4歳)」「日中に3時間ほど公園で遊び、具合が悪いと訴え公園で休んでいたが、吐き気があり、唇の色が悪く救急車要請した。熱中症と診断された(7歳)」といった事例が寄せられている。

 子供は体温調節機能が十分に発達していないため、体に熱がこもり体温が上昇しやすく、地表面からの熱の影響も受けやすいため、大人よりも高温の環境下にさらされているという。子供自身が体調の変化に気付かないことや、伝えられないこともあるため、周囲の大人が顔色や汗の量といった変化に気を配る必要がある。

 また、自動車内の子供の閉じ込めや降ろし忘れにも注意が必要。日中の車内は短時間で高温になる中、キーの置き忘れ・誤操作や誤作動によりロックされるトラブルも発生しており、子供が車内に残されていた場合は非常に危険な状態となる。消費者庁は、ほんの少しであっても絶対に車内に子供を残すことがないよう呼びかけるとともに、そのような場面に遭遇したらすぐに警察と消防に通報するよう注意喚起している。

 熱中症は急速に進行して重症化するため、早めに異常に気付き、応急処置を行うことが大切だ。熱中症になってしまった場合の応急処置としては、呼びかけに答えない場合はすぐに救急車を呼ぶ、涼しい場所へ移動し衣服を緩め、安静に寝かせる、首の周りや脇の下、太ももの付け根等の太い血管部分を冷やす、水分・塩分を補給する、と覚えておきたい。もし、病院へ行くか救急車を呼ぶか迷った場合は「#7119」へ電話をして相談してほしいとしている。

 消費者庁による注意喚起の他、環境省は「熱中症予防情報サイト」を、気象庁は「熱中症警戒アラート」をWebサイトで公開中。外出の際の参考や、自分と家族を守るための知識として活用できる。

《畑山望》

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