千葉県ネットパトロール「暴力・問題行動」書き込み倍増

 千葉県は2023年5月15日、2022年度青少年ネット被害防止対策事業の実施結果を発表した。問題のある書き込み人数は323人と前年度より149人減少した一方、特に問題のある書き込み件数は前年度より30件増え、115件となった。特に「暴力・問題行動」に関する投稿が倍増した。

デジタル生活 中学生
2022年度ネットパトロールの実施状況
  • 2022年度ネットパトロールの実施状況
  • 2023年度青少年ネット被害防止対策事業フロー図
  • 問題のある書き込み監視区分(危険度・内容)
  • 千葉県の相談窓口

 千葉県は2023年5月15日、2022年度青少年ネット被害防止対策事業(ネットパトロール)の実施結果を発表した。問題のある書き込み人数は323人と前年度より149人減少した一方、特に問題のある書き込み件数は前年度より30件増え、115件となった。特に「暴力・問題行動」に関する投稿が、前年度より倍増した。

 千葉県では、青少年がインターネット上のトラブルに巻き込まれることを未然に防止するため、青少年ネット被害防止対策事業を実施している。2022年度の対象は、県内すべての中学校、高校、特別支援学校等630校。専門的な知見やノウハウ、AI等最新技術をもつネットロールに精通した事業者への委託により、生徒が投稿するSNS等について検索・監視を行った。

 ネットパトロールで発見した問題のある書き込み人数は323人。2021年度(前年度)より149人減少し、2020年度との比較では3分の1以下に減っている。性別でみると、男子193人、女子112人、不明18人。学年別では、中学1年生21人、中学2年生33人、中学3年生50人、高校1年生54人、高校2年生60人、高校3年生28人、不明77人。高校3年生を除き、学年が上がるほど多い傾向にある。

 問題のある書き込みは、内容によって危険度をレベル1~3に分類している。このうち、レベル2とレベル3に該当する「特に問題がある書き込み」の件数は115件。2021年度と比較すると、30件増加している。一方、自分自身の個人情報を公開するレベル1の書き込みは年々減少しており、千葉県では「個人情報を公開することに対するリスク啓発が進んでいるものと考えられる」と分析している。なお、複数の書き込みをしている人がいるため、人数と件数は一致しない。

 特に問題のある書き込みの内訳は、「暴力・問題行動」44件がもっとも多く、前年度の20件と比べて2倍になっている。ついで「他人の個人情報の公開」21件、「個人を特定した誹謗・中傷」20件、「緊急性のある少年の刑事事件、自殺に係るもの等」12件、「わいせつ表現」8件、「自傷行為等(自殺予告等)」6件、「自分自身の詳細な個人情報の公開」4件。「レベル3」に分類される「緊急性のある少年の刑事事件、自殺に係るもの等」は、前年度の1件から急増している。

 千葉県では、特に問題のある書き込みを発見した場合、教育委員会等に連絡し、削除を含めた生徒への指導を依頼しており、2022年度も学校を通じて指導・削除等を行った。自殺やネットいじめ等の事件性、緊急性の高いものについては、学校、教育委員会、警察等の関係機関と早急に対応。2023年度もネットパトロールを継続するとともに、トラブルの未然防止や各種相談窓口の周知を図り、悩みや不安を抱える青少年の早期発見・支援に努めていくとしている。

《奥山直美》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top