扶養控除廃止に反対…早急な取下げ求め緊急声明

 政府が掲げる「異次元の少子化対策」の財源捻出策として、16~18歳の「扶養控除」の廃止案が浮上していることを受けて、子育て政策の推進に取り組む7団体が2023年6月1日、緊急集会を開いた。緊急声明を発表し、扶養控除廃止案の早急な取下げを求めた。

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「扶養控除見直し」のストップ!を求める緊急声明
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  • 扶養控除廃止の影響について

 政府が掲げる「異次元の少子化対策」の財源捻出策として、16~18歳の「扶養控除」の廃止案が浮上していることを受けて、子育て政策の推進に取り組む7団体が2023年6月1日、「『扶養控除見直し』のストップ!を求める緊急集会」を開いた。緊急声明を発表し、扶養控除廃止案の早急な取下げを求めた。

 扶養控除とは、家族を養っている人の納税負担を軽くするための制度。現在の扶養控除では、16歳以上18歳以下の高校生などを扶養している場合、所得税で38万円、住民税で33万円の控除が受けられる。子育て世帯の控除では、2011年に児童手当の対象拡大にともない、16歳未満を対象とした年少扶養控除が廃止されている。

 今回、岸田政権が進める「異次元の子育て政策」で児童手当の対象を16~18歳に拡大するのにあわせて、扶養控除廃止案が浮上。期待を抱いていた子育て世代に反発や失望が広がっているとして、子育て政策の推進に取り組む7団体が緊急集会を開き、財源捻出のため子供施策間で「つけ回し」するのはやめてほしいと訴えた。

 扶養控除廃止案の早急な取下げを要請する緊急声明も発表。「すべての子供と子育て家庭へのユニバーサル支援を拡大する」「子供と子育て世帯に負の影響が生じる対策は講じない」「子育てへの経済的支援のあり方を全世代共通の税・社会保障の枠組みで再構築する」という3点についても政府に求めた。

 主催団体では、2011年の年少扶養控除廃止後、児童手当に所得制限が復活したが、子育て世帯に対する控除の適正なあり方は検討されず、子供の貧困や格差の解消に負の影響があったと指摘。仮に扶養控除が廃止されれば、今まで非課税だった世帯が課税対象になるなど、高所得層に限らず、低所得層を中心に大きな影響が出ることが懸念されるとしている。

《奥山直美》

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