2024年度の中学受験を目指すご家庭は、そろそろ第一志望校・併願校を決定する時期だろう。
リセマムでは昨年に引き続き「中高6年間一貫教育を考える会」と連携し、お勧めの私立中学校をピックアップ。同会が発行する『とっておきの私立中学校』の中から抜粋して、注目校の魅力をお伝えしていく。
本記事でご紹介するのは、東邦大学付属東邦中学校。千葉県習志野市にある完全中高一貫の共学校だ。学校長・松本 琢司（琢は旧字、以降、同様）先生からのメッセージの他、特色のあるプログラム等を紹介する。
教育理念
「自然・生命・人間」の尊重
本校の教育は、東邦大学の学祖である医学博士額田豊・晉兄弟の自然観・生命観・人間観に基づいています。それは「かけがえのない自然と人間を守る」ための豊かな人間性と均衡のとれた知識の涵養であり、学校法人東邦大学の一員として、その理念の追求に努力しています。
「自然」からは多様性や秩序性を、「生命」からはかけがえのなさを学び、「人間」を自他共に尊重することを意味します。そのため、生徒には「真理と人生への高い志を持ち、不断の自己鍛錬と謙虚な自己省察により、自らの可能性の開発に努める」ことを強く求めています。
感性でとらえたものを理性に高めて理解する学習活動や学校行事・部活動も含めた、プロセスを重視する広い学びとしての「自分探し」を通じ、高い倫理性をもって社会に貢献する人間を育てることを使命としていると言って良いでしょう。
子供たちは将来、専門性の高い職業に就いて社会貢献を果たそうとします。山にたとえられる高い専門性を、土台のところで支えるのが広い裾野です。その裾野を形成するのが、幅広い知識と教養、豊かな感性、均衡のとれた心身であり、それらを本校の広い学びの中で培っていくのです。
東邦名物「物語散歩」
国語科教員の手作りハンドブックと解説で、都内にある文学や伝説となった場所、作家ゆかりの地を訪ねる「物語散歩」。「本郷から谷中・根津」「麻布・六本木界隈」「小石川から早稲田」など10を超えるコースがあり、新聞やテレビでも紹介された名物課外活動です。読書の新たな楽しみが発見できるとともに、コースによっては、東大、早大、慶應大など大学のキャンパスにも足を踏み入れ、大学に関する知識も増える取組みとなっています。
国際理解教育 - オーストラリア・シンガポール -
同校には国際交流室があり、生徒の国際理解教育のサポートを行っています。希望者を対象にオーストラリア研修を中3時、シンガポール研修を中3・高1時に実施。前者はホームステイを中心としたプログラム、後者は授業のすべてを英語で受講するイマージョンプログラムとなります。その他、国内大学に通う留学生を招いてディスカッションをするPower in MEプログラムなど、さまざまな形で国際理解教育を提供しています。
大学と連携した学問体験講座
大学付属校としてのメリットを活用し、希望者を対象とする「学問体験講座」が開かれています（講座によっては中学生も参加可能）。講座内容例として、自立型のロボットを製作したり、放射線を測定する実験を行ったり、中学高校ではあまり触れる機会のない高度な学問を体験できます。
医学部志望者に対し、東邦大学医療センター佐倉病院において行われる外科の実習体験「ブラックジャックセミナー」では現役医師の指導のもと、内視鏡手術シミュレーターを使用しての模擬手術体験や、模擬皮膚縫合・電気メス切開など、実際の医療現場でのセミナー体験となります。「将来医師になりたい」「医療に携わりたい」という志をもった生徒たちにとって大きなモチベーションとなっている講座です。
2024年度「東邦大学付属東邦中学校・高等学校」受験生特設サイト
2024年度中学募集について
2017年に、高校の一般募集を停止（高校帰国生入試は実施）したことで、千葉県初の「完全中高一貫校」となった同校は「中学校帰国生入試（英語選択型）」を実施しています。募集定員は若干名、入試日は12月1日、教科は「国語（100点）・算数（100点）・英語（100点）」となります。また、同日には第一志望者向けの「推薦入試」も行いますので、ホームページや説明会にて、詳細をぜひご確認ください。
学校概要
所在地：千葉県習志野市泉町2-1-37
アクセス：京成本線「京成大久保駅」徒歩約10分、JR総武線「津田沼駅」京成バス13分
電話番号：047-472-8191
