大卒進路決定率86.5%、進学・就職ともに2年連続増…旺文社

 旺文社教育情報センターは2024年1月11日、大学へのアンケートをもとに刊行した「大学の真の実力 情報公開BOOK」の卒業者データから2023年卒の進路決定率を分析しWebサイトで公表した。2023年の進路決定率は86.5%で前年から1.5ポイント上昇した。

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国公私立大学別の進路決定率
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  • 都道府県別の進路決定率
  • 旺文社発行「大学の真の実力 情報公開BOOK」

 旺文社教育情報センターは2024年1月11日、大学へのアンケートをもとに刊行した「大学の真の実力 情報公開BOOK」の卒業者データから2023年卒の進路決定率を分析しWebサイトで公表した。2023年の進路決定率は86.5%で前年から1.5ポイント上昇した。

 旺文社は「進路決定率」を就職率だけでなく卒業後の進路状況を数値化する目的で、進学者も進路が決定したものとして扱い、就職者数と合計。計算式は「進路決定率(%)=(進学者数+就職者数)÷卒業者数×100」で算出している。なお、就職者数は自営業主等と無期雇用労働者のほか、臨床研修医を含む。

 2022年4月~2023年3月までの大学卒業者の2023年5月1日現在の情報をもとにした「進路決定率」は、前年比1.5ポイント増の86.5%。前年と比較すると進学者は0.2ポイント増、就職者は1.4ポイント増といずれも2年連続で増加した。

 国公私立大学別の進路決定率は、国立大学が90.6%、公立大学が90.9%、私立大学が85.4%。公立大学は看護・医療・栄養学部系統の学部が多いことから決定率が高く、今年も国公私立大の中で最高となった。国立大学は公私立と比べると、進学者の割合が大きい理学部や工学部、農・獣医畜産・水産学部の系統が多いことに加え、臨床研修医の割合も比較的大きいという特徴から進学者の割合が多い。一方、私立大学は文系の学部系統が多く進学率はあまり高くならず、就職者の割合が目立った。

 男女別の進路決定率は、男子86.5%・女子86.4%と男女間に大きな差異はないが、男子は進学者の割合が大きく、女子は就職者の割合が大きい。

 進路決定率は、学部系統によって異なる傾向がみられ、毎年、文系より理系が高い傾向にある。決定率が高い順では、医、工、看護・医療・栄養、理、農・獣医畜産・水産、法、経済・経営・商の各系統。前年と比べると、看護・医療・栄養学部系統がもっとも高まり2.5ポイント上昇した。唯一、医学部系統のみ0.4ポイント低下したが決定率は94.5%で全学部系統のうちもっとも高かった。

 都道府県別の進路決定率をみると、もっとも高かったのは福井県で、富山県、秋田県、山形県、石川県と続き、2023年も北陸・東海エリアが高い傾向は変わらなかった。

 規模の大きな大学は進路決定率が高い傾向にある。しかし、実情は大学によってさまざまで規模だけではわからない部分もあるため、個々の大学を確認することも大事だという。旺文社発行の「大学の真の実力 情報公開BOOK」(2023年9月刊)では、全国778大学の入学者・卒業者データ、おもな学生サポート制度や就職先一覧などの重要データを掲載している。定価は3,300円(税込)。

《川端珠紀》

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