武蔵野大学は、2024年10月3日に行われた理事会において、2025年3月に任期満了となる西本照真学長の後任に、小西聖子(こにしたかこ)副学長・人間科学部教授(69歳)を選任したと公表した。1924年の法人創立以来、初の女性学長の就任となる。任期は2025年4月1日から4年間。
1924年に仏教精神を根幹にした人格教育を理想に掲げ設立した武蔵野女子学院、その後の武蔵野女子大学を前身とする武蔵野大学は、2003年に現在の校名に名称変更。2004年の男女共学化以降、12学部20学科、13大学院研究科、学生数1万3,000人超の総合大学に発展。2019年には国内私大初の「データサイエンス学部」、2021年には国内初の「アントレプレナーシップ学部」、2023年には国内初の「サステナビリティ学科」、2024年には世界初の「ウェルビーイング学部」を開設するなど、2024年の創立100周年とその先の2050年の未来に向けてクリエイティブな人材を育成するため、大学改革を進めている。
新学長に選任された小西聖子氏は、愛知県出身。東京大学教育学部教育心理学科を卒業後、東京都心理判定員を経て、筑波大学医学専門学群卒業、同年に医師免許取得。その後、筑波大学大学院博士課程医学研究科修了、博士(医学)号取得。1993年には東京医科歯科大学内で日本初の犯罪被害者相談室を立ち上げ、1999年に武蔵野女子大学(現 武蔵野大学)人間関係学部開設にあわせ教授に就任。武蔵野大学人間科学部学部長、同大学心理臨床センター長、同大学副学長(グローバル、DEI、学生支援、ハラスメント担当)などを歴任してきた経歴を持つ。
また、学外においては、精神科医として臨床に従事するほか、性犯罪の刑法改正に関して法制審議会の委員を2度務め、内閣府の女性に対する暴力に関する専門調査会会長、内閣府男女共同参画会議議員も務める。おもな研究分野は被害者支援、外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に関する研究。
武蔵野大学は、新学長選任にあたり、「精神科医、公認心理師、臨床心理士として豊富な臨床経験を持ち、ウェルビーイング社会に欠かせないメンタルヘルスを専門とする新学長の就任により、ブランドステートメント『世界の幸せをカタチにする。』のもと、より一層のウェルビーイング社会への貢献を目指す」としている。