東京都教育委員会は2024年10月24日、都立高校におけるチャレンジサポートプランを策定したと発表した。深沢高校は多様な生徒に幅広く対応する受入充実校へ改編するほか、チャレンジスクール等の新設・増学級を立川緑など3校、夜間定時制の募集停止を立川など7校で計画。計画期間は2025~27年度。
現在、都立高校では不登校や日本語指導が必要な外国籍、家族の世話等をしている(ヤングケアラー)など、困難を抱える生徒が増加傾向にありニーズも多様化している。東京都教育委員会では、こうした困難を抱える生徒への支援に取り組んでおり、今回、新たに「都立高校におけるチャレンジサポートプラン」を策定した。
同プランでは、都立高校における困難を抱える生徒たちの学びや成長を支える学習・教育環境の充実を図ることを目的に、「生徒が相談できる体制の充実」「生徒の事情や悩みに応じた適切な支援」「多様な生徒の受入環境の充実」の3つの柱を設定。受入環境の充実にあたっては、2026年度より深沢高校(世田谷区)を多様な生徒に幅広く対応できる、柔軟できめ細かな教育課程や教育相談体制の充実を図った受入環境充実校へ改編する。
また、不登校経験のある生徒等にとって適切な環境を用意しているチャレンジスクールの新設・増学級を計画。立川緑高校(立川市)はチャレンジスクールを2025年度新設、砂川高校(立川市)は昼夜間定時制課程において2025年度に夜間部を1学級増、六本木高校(港区)と大江戸高校(江東区)はチャレンジスクールを2026年度に1学級増やす。
一方、極端な小規模化により学習環境に課題の生じている、立川(立川市)、小山台(品川区)、桜町(世田谷区)、大山(板橋区)、北豊島工科(板橋区)、蔵前工科(台東区)、葛飾商業(葛飾区)の7校は夜間定時制課程を募集停止とする。募集停止時期は、立川が2025年度、そのほかの6校は2026年度を予定している。
このほか、教室以外の生徒の居場所や相談場所に「校内居場所カフェ」や仮想空間上の学習環境などを設置するほか、不登校経験者の学び直しに基礎的な科目を設置し少人数のきめ細かい指導、日本語能力が入門・初級レベルの新入生には春期・土曜日本語講座を開講することなどの計画を盛り込んでいる。
同プランの策定にあたっては、8月に「都立高校におけるチャレンジサポートプラン(案)」を公表し都民から意見を聴取。寄せられた意見357件については、おもな意見について「東京都教育委員会の考え方」を示し、別途公表している。