【新中学生へ 3/4】入学までの過ごし方と、進学後の親の立ち位置

 入学までの準備、入学してからの学習について、個別指導教室SS-1代表の小川大介氏と、この春新規開校する成城学園教室の竹澤智之室長に聞いた。

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SS-1代表の小川大介氏
  • SS-1代表の小川大介氏
  • 成城学園教室の竹澤智之室長
 難関中学に合格者を送り出してきた個別指導教室SS-1代表の小川大介氏と、この春新規開校する成城学園教室の竹澤智之室長に、2012年の中学受験はどうだったのか、志望校へ進学できない場合のケア、そして、入学までの準備、入学してからの学習について話を聞いた。

−−入学式までの過ごし方を教えてください。

小川氏:新しいことをスタートするときは、安心感をもってスタートしたほうがよい。

 中学校になると、勉強の内容が大きく変わります。知らない言葉がたくさん出てきて、それだけで「わからない」と不安になってしまいます。そうならないように、1学期分くらいの内容は、あらかじめざっと勉強してから入るのが理想です。受験勉強は復習中心型だったと思いますが、中学校の勉強は予習中心にしましょう。

 中学校の勉強と、小学校のときの受験勉強との大きな違いは、学習時間の質。小学校のときは、量をこなせばよかった。中学校では1時間あたりどれだけ密度の濃い勉強をしたかが問われます。その感覚に早めに切り変えないといけません。

−−進学後はいかがでしょうか。

竹澤氏:中学校では勉強の仕方を自立型に切り替える必要があります。

 小学校のときは、スケジュール管理はお母様がしてくれるし、何をどれだけやればよいか、全部塾の先生の指示どおりにやっていればよかった。中学からは自分で考えてやっていかなければなりません。

 また、中学時代は反抗期に入る時期でもあります。

 この時期にお母様からよく聞く言葉は「(小学校のころは聞いていたのに)子どもが言うことを聞かなくなった」。お母様も、学校の授業を1から10まで把握するのは無理なので、ここで子離れして、子どもに自立させたほうがよいのです。

小川氏:そのためには、お子さんに目標を立てさせ、どうすればそれを達成できるのか考えさせるとよいでしょう。

 たとえば「次のテストで90点を取る」という目標を共有したら「そのためにはどういう勉強をしたらいいと思う? あれこれ口出さないからあなたの考えを聞かせて」という話し合いを持つことです。この手間を惜しんではいけません。

 一番いけないのは、「あなたに任せる」と全部任せてしまうこと。これでは失敗しますから、そこで「ほら、できなかったじゃない」と言ってしまう。その結果、小学校のときと同じ、お母様が全部管理するパターンに入ってしまう。こうなっては子どもは自立することができません。

竹澤氏:小学校と中学校では、親子の立ち位置を変える必要があります。親は上から指示するのではなく、横に並んでサポートする。さらに言えば、後ろから見守る。そこまでお母様が子離れすることが大事です。
《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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