15~39歳の死因の第1位は自殺…学校問題や就職失敗が原因

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年齢階級別(10歳階級)の自殺者数の推移
  • 年齢階級別(10歳階級)の自殺者数の推移
  • 死因順位別に見た年齢階級・性別死亡数・死亡率・構成割合
  • 先進7か国の年齢階級別人口10万人対死亡者数
 内閣府共生社会政策は、「自殺対策白書」を6月8日に公表した。本白書によると、平成23年の自殺者数は、3万651人で、前年に比べ1,039人(3.3%)減少した。性別では、男性が2万955人で全体の68.4%を占める。年齢別では、総数が減少するなか、「19歳以下」および「20歳代」は、自殺者数が増加している。また、職業別では、総数が減少するなか、「学生・生徒等」のみ前年より101人(10.9%)増加している。これらの結果から、10代~20代の自殺が深刻化しているといえる。

 年代別の死因順位を見ると、15~39歳の各年代の死因の第1位は、自殺となっている。こうした状況は、国際的に見ても深刻であり、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進国7か国では日本のみで、その死亡率も他の国に比べて高いものとなっている。

 自殺の原因・動機について、「学校問題」は19歳以下および20歳代で多い。また、20歳代以下の若者の「就職失敗」による自殺者数が平成21年を境に急増している。

 児童生徒の自殺について実態把握を行うため、文部科学省では、毎年「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」を実施し、児童生徒の自殺者数、自殺した児童生徒が置かれていた状況等について学校・教育委員会から報告を受け、取りまとめている。

 小中学校の新学習指導要領(平成20年3月28日告示)においては、自他の生命を尊重する心を育てることを重視している。小学校では、平成23年4月より全面実施し、中学校では、平成24年4月より全面実施している。

 また、インターネットや携帯電話等の普及が急速に進み、児童生徒が、ブログへの書込みや携帯電話のメールを介したいじめ等によって自殺を引き起こす恐れがあることから、新学習指導要領の各教科等の指導において情報モラル教育の充実を図っている。文部科学省は、総務省や通信関係団体と連携して、子どもたちのインターネットの安心・安全な利用に向けて、保護者、教職員および児童生徒を対象とした啓発講座(e-ネット安心講座)を全国規模で行う「e-ネットキャラバン」の活動を、平成18年度から全国で実施している。

 子どもの自殺防止は、学校・家庭・地域を含む社会全体で取り組む必要があるだろう。

◆文部科学省の主な取組み
平成18年「e-ネットキャラバン」を全国で実施

平成18年8月「児童生徒の自殺予防に向けた取組に関する検討会」を開催

平成19年3月「子どもの自殺予防のための取組に向けて(第1次報告)」

平成21年3月「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」のマニュアル

平成21年7月、学校関係者による調査に限界がある場合の第三者による調査も視野に入れた自殺の背景調査といった事後対応の在り方について調査研究を実施。

平成22年3月「子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き」

平成23年3月「情報モラル教育実践ガイダンス」(国立教育政策研究所)

平成23年6月、児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の指針を含む審議を実施。
《工藤めぐみ》

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