全国学力テスト結果、知識の活用問題において軒並み低い正解率

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科目別平均正答率、小学生
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 文科省は8月8日、小学校6年生と中学校3年生を対象に実施した2012年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を発表。理科の学力テストが初めて実施されたこともあり例年に比べ高い注目を集めたが、思想力や表現力を養う教育が課題となった。

 2012年度の全国学力テストは、全国の小学校6年生と中学校3年生を対象に、国語、算数・数学、理科の3科目において4月17日に実施された。小学校調査においては、207の私立校を含めた21,068小学校より5,224校を抽出し262,086名の児童生徒が分析対象となった。中学校調査においては、704の私立を含めた10,785校より4,471校の442,612名を抽出し、分析対象とした。

 2012年度の学力テストで初の実施となった理科においては、小学校調査の平均正答率が61.1%、思想力や表現力が問われる設問においては57.8%の正答率だった。中学校の理科においても、平均正答率の52.1%に比べ、知識の活用能力が問われた設問の正答率は48.9%と、小中ともに、思想力や表現力が課題として明らかになった。

 国語や算数・数学においても、知識の活用能力が問われる設問の正答率が低いことが明らかになった。小学校調査における国語A(知識問題)の平均正答率は81.7%だが、国語B(活用問題)の正答率は55.8%。中学校調査でも、国語Aは76.1%だったのに対し、国語Bは64.2%と低かった。

 算数・数学においても、小学校の算数Aは73.5%に対し算数Bは59.2%、中学校調査も数学Aの63.6%に対し51.1%と、知識の「活用」能力に関する問題を中心とした出題が比較的低い正答率を生み出し、今後の教育課題となった。

 各科目において、知識のレベルと知識を活用する能力のレベルに差があることが今回の学力テストで明確になった。例を挙げるならば、数式を活用した計算能力はあるが、その数式が社会にどう役立つかを考える能力を伸ばす必要があるということになる。

 全国学力テスト結果は、現在の教育課題を表面化し、改善を図るための指標だ。知識の伝達だけでなく、応用能力を養う教育が求められる面においては、21世紀型スキルの向上教育と重なる部分が多いのかもしれない。今後の義務教育の方向性に注目が集まる。
《湯浅大資》

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