「漢字を正確に書く力が衰えた」約7割…11年前と比べ増加

 携帯電話や電子メールなどの普及による情報交換手段が多様化するなか、「漢字を正確に書く力が衰えた」と感じる人が約7割に上ることが文化庁の「国語に関する世論調査」より明らかになった。

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漢字を正確に書く力が衰えた(年齢別・過去の調査との比較)
  • 漢字を正確に書く力が衰えた(年齢別・過去の調査との比較)
  • 多様化する情報交換手段の日常生活への影響
 携帯電話や電子メールなどの普及による情報交換手段が多様化するなか、「漢字を正確に書く力が衰えた」と感じる人が約7割に上ることが文化庁の「国語に関する世論調査」より明らかになった。

 同調査は、1995年より毎年実施し、日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国民の国語に関する興味・関心を喚起するためのもの。2012年2月~3月に全国16歳以上の男女3,474人を対象に個別面接調査を実施し、2,069人の有効回答を得た。

 携帯電話や電子メールなどの普及により、日常生活に影響を与えていることについて思い当たることがあるか尋ねたところ、もっとも多かったのが「漢字を正確に書く力が衰えた」(66.5%)、次いで「手紙やはがきは、あまり利用しないようになった」(57.2%)、「手で字を書くことが面倒臭く感じるようになった」(42.0%)「口頭で言えば済むことでも、メールを使うようになった」(29.5%)という結果だった。

 2001年度調査と比べると、多くの項目で選択する人の割合が増加している。とくに「漢字を正確に書く力が衰えた」を選択した人は25ポイント、「手紙やはがきは、あまり利用しないようになった」を選択した人は16ポイント増加している。また,「電車の中など公共の場所でも、自分だけの世界を作れるようになった」を選択した人の割合は、前回から約2.5倍に増加した。

 今回の調査で、選択した人の割合がもっとも高かった「漢字を正確に書く力が衰えた」について、年齢別に見ると、20代~50代で7割台となっており、2001年度には2割台だった16~19歳と60歳以上でも、それぞれ、48.7%と55.6%となっている。
《工藤めぐみ》

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