【中学受験に勝つ】夏休み自由研究…理科(3)使い捨てカイロを調べる

教育・受験 小学生

使用前の使い捨てカイロの重さ
  • 使用前の使い捨てカイロの重さ
  • 使用後の使い捨てカイロの重さ。仕様前の48gから56gに増えている
  • 個別指導教室 SS-1 副代表 辻義夫先生
  • ペットボトルに内容物を入れ、フタをして反応させてみると、ペットボトルがへこんでいく。密閉された容器の中では、酸化に使われた酸素の分だけ気圧が下がる
 中学受験専門の個別指導教室 SS-1 副代表 辻義夫先生が勧める理科の自由研究は、受験対策につながり、観察や実験が短時間で終わるものをテーマに選ぶことだという。この記事では、その例として辻先生が考えてくれた理科の自由研究4つテーマをひとつずつ解説していく。シリーズ第3弾は「使い捨てカイロの中身を調べる」である。

◆SS-1辻先生による中学受験対策&夏休みの自由研究シリーズ一覧
・夏休み自由研究…理科(1)缶とペットボトルで「飲み物容器の科学」
・夏休み自由研究…理科(2)光の進み方:反射と屈折
・夏休み自由研究…理科(3)使い捨てカイロを調べる
・夏休み自由研究…理科(4)朝顔の観察
・夏休み自由研究…(5)ペルセウス座流星群で天体と「放射状」をマスター


◆使い捨てカイロの中で何が起きているか

 この実験では、物質の結びつき、化学変化、酸化といったことを学ぶ。用意するものは以下のとおりだ。

・使い捨てカイロ
・電子秤
・ペットボトル
・その他温度計など必要に応じて

 まず、使い捨てカイロの中で何が起きているか。それを確かめるため、カイロの使用前、使用後の重さを測って比べてみる。

 使い捨てカイロの原理は、中の鉄粉が酸化(=さびる)することで発生する熱を利用している。酸化というのは、鉄と酸素が結びつくことだ。そのため、さびた鉄は、元の重さより結びついた酸素の分だけ重くなっている。また、酸化鉄になるためには、周辺に酸素がなければならない。これらのことを、ペットボトルと秤を使って検証する実験を行う。

 重さを測るには、封を切ったばかりの使い捨てカイロの重さを電子秤で計測する。グラム単位の計測が可能なら、料理用の秤でもよいだろう。続いてカイロをもんで発熱させる。ここで発熱が収まるまで待つ必要があるが、その間は放置できるので前の晩に使用前のカイロの重さを計測しておけば、翌日の作業で実験を終わらせることができるだろう。

 可能であれば、数時間おきの重さを計測して変化を観察するのもよい。あるいは、サイズの違う使い捨てカイロをそれぞれ試して、どれくらい増えるのか、増える率は同じなのかを比較する実験も考えられる。

 レポートでは、使用前と使用後の重さを比較し、どれくらい変化したか、またその理由を教科書や参考書などで調べてまとめるとよいだろう。重さの変化を記録するなら、一緒に温度変化も調べておけば、両者をグラフ化できる。また、発熱が始まったカイロを冷蔵庫や冷凍庫で冷やしたらどうなるか、あるいは保温を長持ちさせるにはどうすればよいかなどを考え、実験してみてはどうかと辻先生はアドバイスをくれた。

◆鉄と酸素との結合を観察する

 この実験では、鉄が酸素と結合するために重さが変化するのだが、変化を観察してみよう。この実験にはペットボトルを使う。使用前のカイロの中身をペットボトルに移してフタを閉める。その後、ペットボトルをよく振って発熱させる。発熱が始まると少しずつペットボトルがへこんでいく。ペットボトル内の酸素が鉄と結合するため、その分、内圧が下がるからだ。途中経過を観察してもよいが、実験開始時と発熱が終わった状態と比較するだけでもよいだろう。

 ペットボトルは、ミネラルウォーターの容器など、やわらかくへこみやすいものを利用するとよいが、中身を入れすぎないように注意したい。

 なお、使い捨てカイロの鉄粉は空気に触れることで、水酸化第二鉄という物質に変化している。水酸化第二鉄は赤褐色だが、使い捨てカイロには活性炭やその他が混ざっているため、使用前も使用後も、内容物の色は黒っぽく変化はわかりにくい。色の比較はできないが、辻先生は別の観点で内容物についての考察をレポートしてもよいという。

 内容物はパッケージに記述があるが、鉄粉、水、活性炭、塩類、バーミキュライト、吸水性樹脂、木粉などだ。酸化反応に必要なもの(水や塩類)や、高温になるのを防ぐために反応を遅らせるもの(活性炭)など、調べるといろいろなことがわかるはずだ。また、これらの内容物を入れている袋の表面の材質と内側の材質の違い、水や空気の通し具合など、袋の材質や特徴も調べて、レポートに加えてもよい。

 なお、ペットボトルの中に使い捨てカイロの中身を入れるという実験は、白百合学園中学校の入試に出題されたことがあるそうだ。
《中尾真二》

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