千葉県が「思考し、表現する力」を高める実践モデルプログラム作成

 千葉県教育委員会は独自の学力状況調査から、同県の児童生徒が「思考し、表現する力」に課題があることが分かり、解決するための実践モデルプログラムを作成した。すべての教科や領域で利用し、学力向上に役立てたい考え。

教育・受験 学習
実践モデルプログラム
  • 実践モデルプログラム
  • 千葉県が目指す「確かな学力」のイメージ
  • 実践モデルプログラム利用の授業について
 千葉県教育委員会は独自の学力状況調査から、同県の児童生徒が「思考し、表現する力」に課題があることが分かり、解決するための実践モデルプログラムを作成した。すべての教科や領域で利用し、学力向上に役立てたい考え。

 今回作成した実践モデルプログラムは、県独自の学力状況調査の結果から明らかになった課題を解決するために作成。課題解決のための授業づくりの視点として、「筋道をたてて考える学習活動を行うこと」「意図的に表現する場面を取り入れること」「集団の力を生かすこと」「すべての教科・領域で取り組むこと」を掲げる。

 同プログラムは、課題を明確にする「見いだす」、資料を収集したり仮説を立てて検証する「調べる」、自分の考えを述べたり相手の考えを理解する「深める」、思考の過程を振り返る「まとめあげる」の4つの学習プロセスで構成される。

 プログラムでは、小学校低学年、中学年、高学年、中学校のそれぞれ指導事例も作成。例えば、小学校中学年の算数の単元「変わり方」を指導する事例として、18本の棒を使って長方形を作る際の縦と横の本数の関係を調べる問題では、最初に棒を使っていろいろな長方形を作り問題場面をつかませる「見いだす」学習活動を行う。

 さらに、表を書いて本数の変化を「調べる」、調べて分かったことを「深める」、表の縦と横の本数の変化を確認し関係式をつくるなど「まとめあげる」と、4つのプロセスを重ね、時間配分やねらいと手だてなど具体的な指導事例を明記している。

 中学2年生の連立方程式では、課題を明確にして視覚的に訴える板書や具体的な教具を用いた学習指導を行えば、生徒は2つの2元1次方程式を見いだして連立方程式を理解し、利用できるであろうと授業仮説をたてている。

 実践モデルプログラムは、同教育委員会のホームページから見ることができる。
《田中志実》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top