LIXIL(リクシル)は2日、水洗トイレの便器へ給水する際の水流を活用して発電し、トイレ内の照明エネルギーをまかなうゼロエネルギートイレ照明システムを開発したことを発表した。 同社は東北大学大学院工学研究科都市建築学専攻の石田壽一教授、小林光准教授らの研究グループとともに、災害時にもトイレを快適に使用できる「ゼロ・エネルギー・トイレ(ZET)」に関する共同研究を2014年7月から行っている。本システムはその研究の一環として開発されたもので、外部給電がなくても水流による自家発電、蓄電、高効率LED照明および制御によりトイレの運用が可能なシステム。 また、暗所において最小の消費エネルギーで高い明るさ感が得られるプルキンエ効果を活用した、新たなLED照明も開発した。 実証研究では、男女のトイレごとに発電量や蓄電量、照明電力使用量などの計測を行い、トイレにおける照明電源が自家発電によって確保できることを確認。本システムを昼間の自然光と併せて活用することで、長時間照明用電力を供給し続けることが可能となり、防災と省エネの観点からもエネルギーの高度利用に寄与することが期待される。今後は実証研究により快適で高効率な運用ロジックの確立に結び付け、安定的なシステムの構築を目指していく。