文科省「高等学校基礎学力テスト」導入検討、H31年度から

 文部科学省は9月4日に行われた大学教育部会の配布資料を公開。高大接続システム改革会議「中間まとめ(案)」によると、平成31年度から「高等学校基礎学力テスト(仮称)」導入を検討しているという。

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高校教育の質の確保・向上に向けた全体的な取組みについて
  • 高校教育の質の確保・向上に向けた全体的な取組みについて
  • 高等学校基礎学力テスト(仮称)の導入
  • 高校教育におけるPDCAサイクルの構築
  • 文部科学省
 文部科学省は9月4日に行われた大学教育部会の配付資料を公開。高大接続システム改革会議「中間まとめ(案)」によると、平成31年度から「高等学校基礎学力テスト(仮称)」導入を検討しているという。テストは、国語・数学・英語で実施する考えを示した。

 高大接続システム改革会議は、教育再生実行会議提言、中教審答申などを受けて設置。中間まとめは、同会議の議論を2015年末に向けて具現化していくため、これまでの議論を整理したもの。高大接続システム改革は、高等学校教育改革、大学教育改革、および大学入学者選抜改革をシステムとして、一貫した理念のもと一体的に行う改革としている。

 高等学校教育改革全体の基本的な考え方として、育成すべき資質・能力を踏まえた「教育課程の見直し」がある。また、それとともに、アクティブ・ラーニングの視点からの「学習・指導方法の改善」、「教員の指導力の向上」、学習評価の在り方の見直しや指導要領の改善など「多面的な評価の推進」の3つの観点から改革を推進する。

 また、高等学校教育全体の質の確保・向上を支える仕組みとして、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を新たに導入。このテストの活用を含め、学校における「PDCAサイクル」を構築することが必要であるとしている。

 「高等学校基礎学力テスト(仮称)」は、高校段階における生徒の基礎学力定着度を把握および提示できる仕組みを設けることで、生徒の学習意欲の喚起、学習の改善を図る。テストは国語・数学・英語で実施、ボリュームゾーンとなる平均的な学力層や、底上げが必要な学力面で課題のある層をおもな対象とした内容を出題するという。紙によるテスト実施も念頭に置きつつ、試行を通してCBT-IRTを導入する方向で検討している。

 平成31年度から平成34年度までは「試行実施期」と位置づけ、この期間は原則、大学入学者選抜や就職には用いず、本来の目的である学習改善に用いて、その定着を図る。平成35年度以降の大学入学者選抜、就職への活用方策については、定着状況やメリット・デメリットを吟味しながら検討していくという。
《黄金崎綾乃》

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