肥満児は肝硬変に高リスク…大阪市立大

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フィブロスキャン検査
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  • フィブロスキャンの測定結果
  • 小児の肥満と脂肪肝の関係
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 大阪市立大学は9月24日、肥満児は脂肪肝の頻度が高く、肝臓が硬い傾向にあると発表した。肥満児の増加に伴い、合併症の早期発見・治療が重要視される中、肝硬度測定機器「フィブロスキャン」による肥満児への測定を国内で初めて実施、リスクの高さを明らかにした。

 近年日本では、肥満児が増加し、メタボ予備軍として社会的な関心を集めている。肥満は脂肪肝の重要な原因で、脂肪肝の中には肝硬変に進展するリスクのある非アルコール性脂肪性肝炎が含まれる。だが、脂肪肝を評価する従来の方法には、痛みや出血のリスクを伴うなどの短所があった。

 同大の医学研究科発達小児医学の徳原大介講師と趙有季医師らの研究グループは、簡便に痛みを伴わずにスクリーニングする方法として、フィブロスキャンを用いて測定。肥満児における有用性と実行性を評価する臨床研究を国内で初めて実施した。

 フィブロスキャンは、肝臓の線維化と脂肪の蓄積の程度を同時に測定することができる新しい機器。腹部超音波検査と同様に体表からプローベを当てるだけで、痛みや出血を伴わずに短時間で肝硬度と脂肪蓄積量を定量化できるという。

 研究では、1~18歳の小児214人を対象にフィブロスキャンを用いてCAP(肝脂肪蓄積量)とLSM(肝硬度)を同時測定。肥満群、肥満を伴わない肝障害群、肥満と肝障害を伴う対照群に分けて測定結果を比較した。

 その結果、フィブロスキャンは94%の小児で実施可能であり、肥満児は対照群と比較して CAP・LSM両者とも有意に高い傾向にあることがわかった。また、一部の症例で肝生検による組織学的な評価とフィブロスキャンの測定結果を比較したところ、両者の間に高い相関が認められたという。

 この研究によって、フィブロスキャンは小児において痛みを伴わずに実施できる信頼性の高い検査であることを証明。さらに、肥満児は脂肪肝の頻度が高く、肝硬度が高い傾向にあることを明らかにした。

 今後は、フィブロスキャンを用いて、脂肪肝の改善に結びつく肥満児の食事・運動指導を検討。学校検診への導入によって脂肪肝の小児をスクリーニングし、早期に食事・運動指導介入にもつなげていきたい考えだ。

 研究成果は9月24日(日本時間)、米国の科学誌「PLOS ONE」のオンライン版に掲載された。
《奥山直美》

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