◆知識のインプットと答えのアウトプットを磨く--入試シーズンに向けてのアドバイスをお願いします。伊藤氏:11月から12月にかけては、面談で内申点を教えてもらい、入試に臨む準備の時期です。入試に関しては難度が上がり、記述問題が増えているので、書く練習、答える練習が求められていると思います。勉強の際は、必ず自分の答えを書き、それが合っているかどうかの判断を繰り返すことが重要です。 また、知識を覚える際に、一問一答では終わらせないこと。物事の理由や背景など、原理原則とセットで覚えることです。特に理科では、原理原則をふまえて問われる問題が多いので、こういった知識のインプットが大切だと思います。金澤氏:毎回の模擬試験に一喜一憂しないように。つい目の前のことを見がちですが、志望校を最終的に決めるのは、年明けでも大丈夫です。伸びる要素はまだまだあるので、1月まではしっかり勉強してください。また、ひとりで戦っているのではないから、壁に当たったら塾の先生や友だち、保護者の方や学校の先生など、周りの人にすぐに相談してほしいと思います。伊藤氏:授業以外の自習時間に何をするかが重要です。やみくもにやるのではなく、優先順位をつけて勉強してください。あとは、周りの人に支えてもらっていますので「志望校を決めたら必ず親に言いなさい。そして入試が終わったら感謝の言葉を伝えなさい」と生徒に話しています。--保護者に関して、注意点があれば教えてください。伊藤先生:志望校を決める時期は、お子さまと話し合いの場をもって、考えを引き出してあげてください。何を軸に学校を選ぼうとしているのか、どんな壁にぶつかっているのか聞いて、そこから導いていってほしいと思います。そして、味方として最後まで見守っていただきたいですね。◆ラストスパート目前でもあきらめないこと--ラストスパートに向けて成績が上がる子もいますか?伊藤先生:この時期に伸びる生徒の特徴は、目標が定まっていること。「○○高校に入りたい」や「医者になりたいから、どうしても国公立大学に行きたい」といった目標がある場合、自発的に努力できる生徒が多かったですね。ここからの頑張り次第で成績を上げることも可能です。--逆に、夏休み以降伸び悩んでいる場合はいかがでしょうか。伊藤氏:成績が停滞した原因にもよりますが、内申の良いまじめな生徒の場合、丁寧にやりすぎて時間が足りなくなってしまうケースもあります。その場合は、やるべきことを決めて、精度を上げていくのも一案です。 また、模試や定期テストの得点がなかなか上がらない場合、勉強量と成果は必ずしも比例しません。すぐに成績にあらわれなくても、その後成果が出てきますので、クヨクヨしたりあきらめたりせずに努力を続けることです。--入試当日のアドバイスはありますか。伊藤氏:トップ校受験者でも、満点を取ることは難しいと思います。特に特色検査はまず無理と考えていいほど難しいです。そのため、時間配分を考えできるものから取り組むことが大切です。 5科目に関しては、トップ校では80~90点の争いになってきます。今までやってきたことの最後の発表の場となるように、事前に模擬試験ベースの練習をしていくことで、本番の緊張感がやわらぐかもしれません。 常に意識してほしいのは、模擬試験の結果などでクヨクヨする前に、この後できることを考えることです。公立高校は時期的にシーズン最後の入試になるので、私立で確約併願をしている場合、自信をもって臨んでください。 公立高校は2日、最長で3日間入試がありますが、全部が終わるまでは終わったことは振り返らないで、次の科目を考えること。よく生徒に言うことは「当日だけは合間の時間での答え合わせ禁止」ということです。少しでも先のことを考えて臨むのが良いと思います。--ありがとうございました。◆2016年神奈川県公立高校入試スケジュール 願書受付:2016年1月28日~2月1日 志願変更:2016年2月4日~8日 学力検査:2016年2月16日 面接・特色検査:2016年2月16日~18日(各校指定の日に実施) 合格発表:2016年2月29日