私大連合会、デジタル教材の著作権について要望

 日本私立大学団体連合会は12月9日、教育の情報化に対応した著作物の利用に関する意見をとりまとめ、文化審議会著作権分科会に提出・要望した。教材資料や講義映像の送信といった異時公衆送信も無償の権利制限の対象とすべきであるとした。

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  • 意見書(一部)
 日本私立大学団体連合会は12月9日、教育の情報化に対応した著作物の利用に関する意見をとりまとめ、文化審議会著作権分科会に提出・要望した。教材資料や講義映像の送信といった異時公衆送信も無償の権利制限の対象とすべきであるとした。

 文化審議会著作権分科会(法制・基本問題小委員会)では、現行著作権法について、教材資料や講義映像の送信など授業の過程で行う異時公衆送信を新たに権利制限の対象とするか、対象とする場合には補償金請求権を付与すべきか、これまで無償であった複製・同時公衆送信はどのように考えるかについて審議が進められている。

 この審議を受けて日本私立大学団体連合会は、教育は公益性が極めて高いことなどから、これまで無償で権利制限の対象としていた複製・同時公衆送信に加え、異時公衆送信も無償の権利制限の対象とすべきであるとした。

 補償金請求権の付与を検討する場合には、教育現場の混乱や著作権法第35条の基本理念に照らし、これまで無償の権利制限の対象としていた複製・同時公衆送信を補償金の対象とすることは避けるべきであると求めた。

 もし補償金請求権を付与する場合、授業での著作物の利用は教育目的であることを踏まえて、補償金額は通常の市場価格よりも低額に抑え、より簡便な手続きで補償金の徴収分配が行われるべきであると要望した。

 なお、国立大学協会も著作権法に対する考えを文化審議会著作権分科会に提出している。
《工藤めぐみ》

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