進む公立小中学校の耐震化、H29年度は98.8%…未実施829棟減少

 文部科学省は7月7日、平成29年度公立学校施設の耐震改修状況フォローアップ調査の結果を公表した。平成29年4月1日現在、耐震化が未実施の建物は1,399棟、前年度から829棟の減少となった。屋内運動場など、吊り天井の落下防止対策実施率も上昇している。

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耐震化率・耐震性の建物の残棟数の推移(小中学校)
  • 耐震化率・耐震性の建物の残棟数の推移(小中学校)
  • 耐震化率が下位の都道府県と耐震性がない建物の残棟数が多い設置者
  • 耐震化率別の設置者数分布(小中学校)
  • 対策未実施の吊り天井を有する屋内運動場などの数が多い都道府県と平成28年度に落下防止対策を行った数が多い都道府県
 文部科学省は7月7日、平成29年度公立学校施設の耐震改修状況フォローアップ調査の結果を公表した。平成29年4月1日現在、耐震化が未実施の建物は1,399棟、前年度から829棟の減少となった。屋内運動場など、吊り天井の落下防止対策実施率も上昇している。

 公立小中学校の構造体の耐震化率は、前年度から0.7ポイント増の98.8%となった。また、耐震性がない建物は1,399棟と、前年度から829棟減少。そのうち、震度6強以上の地震に対して倒壊または崩壊する可能性が高い「Is値0.3未満」は257棟と、前年度より140棟減少している。

 耐震化率が低い都道府県は、沖縄県90.0%、福島県94.1%、富山県94.3%、北海道94.4%、愛媛県94.9%など。耐震性がない建物の残棟数が多い設置者は、福山市69棟、富山市60棟、福島市52棟、那覇市50棟、岡山市42棟など。耐震化率別の設置者数分布をみると、耐震化率100%が87.2%と多くを占めており、前年度と比較しても5.6ポイント上昇している。

 公立小中学校において、落下防止対策が未実施の吊り天井・照明・バスケットゴールを有する屋内運動場などは、前年度より714棟減の940棟。対策実施率は97.1%だった。対策未実施の屋内運動場などの数が多い都道府県は、東京都で74棟、愛知県67棟、千葉県66棟、山口県58棟、群馬県43棟。平成28年度に落下防止対策を行った数が多い都道府県では、埼玉県54棟、千葉県47棟、東京都43棟、兵庫県40棟、茨城県37棟など。

 フォローアップ調査は、小中学校だけでなく、幼稚園や義務教育学校、高校など、全国の公立学校施設の全設置者が対象。ただし、福島県楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村および飯舘村内の全学校は含まれていない。調査結果は文部科学省Webサイトに公開されている。
《黄金崎綾乃》

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