未来のロボットクリエイターが東大に集結!ヒューマンアカデミーロボット教室全国大会

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MVPに輝いたのは、小学校4年の花園明良くん(大阪府・狭山池前教室)
  • MVPに輝いたのは、小学校4年の花園明良くん(大阪府・狭山池前教室)
  • 「第7回ヒューマンアカデミー ロボット教室全国大会」会場となった東京大学安田講堂には全国から1,000名を超える人が集まった
  • 「第7回ヒューマンアカデミー ロボット教室全国大会」で優秀賞、特別賞を受賞した子どもたち
  • アイデアコンテストでは、決められたパースで、いかにオリジナリティのある動きや形のロボットを作るかが問われる。製作の過程で、動力やてこの原理、摩擦力といった理科の知識を実感しながら学んでいく
  • プライマリーコース:上野鞠雲くん(埼玉・イオンモール川口教室)のクレーンロボット。スライドスイッチを動かしてクレーンを上下させる。巻きつけた糸が外れないように工夫した。
  • プライマリーコース:谷岡辰秀くん(神奈川県・横須賀久里浜教室)のトラックロボ。荷台に荷物が乗ると走り出し、停まると荷物を下ろす。
  • プライマリーコース:勝又皇晴くん(愛知・大高青山教室)の消防車ロボット「はっしーくん」。大好きな働く車、消防車。はしごは前に作ったシーソーロボットの仕組みを利用した。
  • 勝又皇晴くんは、たくさんのギアを使って、はしごが伸びる消防車ロボットを製作した
 東京大学安田講堂で8月26日、「第7回ヒューマンアカデミー ロボット教室全国大会」が開催された。この大会の目的は、全国約1,000か所のヒューマンアカデミー ロボット教室に通う子ども達が日ごろの学習成果を発表するとともに、全国から集まった生徒同士が交流し、切磋琢磨する機会とすること。今回の大会には全国から600人以上が応募。大会当日は36人の子ども達が、それぞれのアイデアや技術を披露した。

 本大会は、アイデアコンテスト(創作ロボット)、テクニカルコンテスト(スピード競技)の2つのカテゴリがある。

 アイデアコンテストは、学習ステップに応じて、プライマリーコース、ベーシックコース、ミドルコース、アドバンスコースの4部門に分かれる。プライマリーコースは、5歳からの幼児を対象とした教室で、保護者達の強い要望に応じて昨年開講した。2020年からの、小学校のプログラミング教育の必須化を受け、保護者の関心が高まっていることがうかがえる。

◆ハイレベルな創作ロボットが集合…アイデアコンテスト

 アイデアコンテストでは、ベーシックコース8名、ミドルコース8名、アドバンスコース4名、プライマリーコース4名、中国、台湾の子どもも含む計24人の発表が行われた。

 発表者は、普段、教室で使っているパーツを使って製作したオリジナルロボットをステージで披露。どのような仕組みで動いているのか、苦労した点はどこかなどを2分間の持ち時間でプレゼンテーションする。仕組みをわかりやすく説明するために、ボードを用意するなど、各発表者とも、ロボットだけでなく、プレゼン方法にも工夫を凝らしていた。複雑な動きをするロボットに、会場からはしばしば感嘆の声があがった。

プライマリーコース:勝又皇晴くん(愛知・大高青山教室)の消防車ロボット「はっしーくん」。大好きな働く車、消防車。はしごは前に作ったシーソーロボットの仕組みを利用した。
プライマリーコース:勝又皇晴くん(愛知・大高青山教室)の消防車ロボット「はっしーくん」。大好きな働く車、消防車。はしごは前に作ったシーソーロボットの仕組みを利用した。

ミドルコース:宮下陽人くん(神奈川・鷺沼駅前教室)のバトルロボット。2足歩行のロボットを作るのは難しくて、とても苦労したと言う。
ミドルコース:宮下陽人くん(神奈川・鷺沼駅前教室)のバトルロボット。2足歩行のロボットを作るのは難しくて、とても苦労したと言う。

アドバンスコース:下田恒亮くん(福岡・八幡東教室)の新型ライントレーサー。従来の4輪のライントレースカーを、3輪で作った。
アドバンスコース:下田恒亮くん(福岡・八幡東教室)の新型ライントレーサー。従来の4輪のライントレースカーを、3輪で作った。

 アイデアコンテストでは、ロボットクリエイターの高橋智隆氏ら審査員が、動きのユニークさ、形の美しさなどの観点から評価し、優秀賞を選出。以下の参加者が、優秀賞に輝いた。

・プライマリーコース:勝又皇晴くん(愛知・大高青山教室)「消防車ロボットはっしーくん」
・ベーシックコース:田中良和くん(大阪・狭山池前教室)「弓引きロボット」
・ミドルコース:宮下陽人くん(神奈川県・鷺沼駅前教室)「バトルロボット」
・アドバンスコース:竹田侑平くん(東京・高砂教室)「高速回転式ミサンガ製造ロボット」

◆全国の精鋭がスピードを競う…テクニカルコンテスト

 テクニカルコンテストでは、地方大会から勝ち上がった12名が決勝戦に臨んだ

 このコンテストは、教室で使われているパーツで製作したロボットを走らせ、スピードを競わせる。ロボットには、地面の黒いラインを検知する光センサーが取り付けられていて、規定のコースの黒いラインを外れることなく、より早くゴールに到達したロボットが勝ちとなる。一度コースを外れても自力で軌道修正することができれば失格とはならない。

 大きくコースアウトしたのに瞬時に回転してコースに戻り、逆転勝利するもの、練習では完璧に走らせることができていたのに、本番で調子を崩して負けてしまうものなど、手に汗握る一幕もあった。

テクニカルコンテストでは、黒いラインのコースをはずれないで、もっとも速くゴールした人が勝ち
テクニカルコンテストでは、黒いラインのコースをはずれないで、もっとも速くゴールした人が勝ち
テクニカルコンテストでは、黒いラインのコースをはずれないで、もっとも速くゴールした人が勝ち

 接戦の末、岐阜県の熊谷拓海くんが優勝を手にした。

◆MVPに輝いた小4の花園明良くん、複雑な機構を全部自分一人で製作

 今大会でMVPに輝いたのは、小学校4年の花園明良くん(大阪府・狭山池前教室)の「ロボットはしご車」。昨年に続き、2連覇となった。「ロボットはしご車」は火事のときにビルの高層階に取り残された人を救助するもので、はしご車が走行する仕組みと、はしごを伸び縮みさせる仕組みを一つのモーターを切り替えることで実現させたところに工夫があった。
MVPに輝いたのは、小学校4年の花園明良くん(大阪府・狭山池前教室)
MVPに輝いたのは小学校4年の花園明良くん

ミドルコース:花園明良くん(大阪・狭山池前教室)のロボットはしご車。はしご車がビルまで走り、ビルに到着するとはしごが伸びて屋上で逃げ遅れた人を助ける。
ミドルコースに出場した花園明良くんのロボットはしご車。はしご車がビルまで走り、ビルに到着するとはしごが伸びて屋上で逃げ遅れた人を助ける。

 審査員の高橋氏からは、「一連の動きをしっかりイメージできなければこの仕組みは作れなかっただろう。柔軟なアイデアに感動した」と感想が述べられた。

◆未来を担うロボットクリエイターに期待

 総括として、審査員の高橋氏から、「7回目の開催だが、今回も大変レベルの高いロボットを作っていただいた。MVPの花園くんのロボットは、はしご車が自動で走り、目的地ではしごを伸ばし、人を救助して再びはしごを下ろし、もとの場所に戻るという動きをすべて自動で行う。大変複雑な動きをトラブルなくこなしたところが素晴らしく、全会一致でMVPに決まった。今回も多くの才能が発掘され、その中から未来を担うロボットクリエイターが生まれることを期待している」と講評が述べられた。

 ヒューマンアカデミー ロボット教室 事業本部長の沼田容史二氏は、「テクニカルコンテストでは、今回はじめて地区大会を開催した。予選会から壮絶なバトルを観させていただいたが、ロボットの完成度もさることながら、子ども達の熱意ある姿にも感動させられた。勝敗はわずかな差。最終決戦に残るだけでもすばらしいことなので、決して勝敗で比べないで欲しい。そして、ぜひ来年もチャレンジしてほしい。アイデアコンテストでは、子ども達の底知れない可能性を改めて実感した。今回、中国、台湾の教室からも参加をいただいた。近い将来には、プログラミング教室 世界大会も開催したい」と語った。

 MVPを受賞した花園くんは、「人が救助に行けない危険な場所で活躍するロボットを作りたかった。はしごが伸び縮みするところは、本物のはしご車と同じ機構を再現した。ここが一番苦労したところ。今年は大人に手伝ってもらわず全部自分で作った。自信はあったが2年連続MVPを取れるとは思わなかったのでとても嬉しい」と喜びを語ってくれた。将来の夢は「ロボットクリエイター」だそうだ。

◆高橋氏「きっかけは鉄腕アトム」

 大会中に行われた高橋智隆氏の講演では、氏が開発した世界初の宇宙飛行士ロボット「キロボ」や乾電池のCMで標高1,000m以上の雪山のロープクライミングを果たした「エボルタ」、愛くるしい外見がブームを巻き起こした組立てロボットキット「ロビ」、ロボット電話「ロボホン」を紹介。「鉄腕アトムの漫画をきっかけにロボットクリエイターになった」という高橋氏。未来のクリエイター達に「自分が面白いと思う物を作ること、手を動かして実際に作ってみること。そして、迷ったらユニークなほうを選択するということ。人生は選択の連続。みんながやっているからではなく、自分の好奇心に素直に従って、本当にやりたい道を進んでほしい」とエールを送った。

「学生時代、ロボットクリエイターになると言って周囲に笑われた」と語る高橋智隆氏。しかし「周囲になんと言われても自分の好奇心を大事にしてほし」と子ども達にエールを送った。
「学生時代、ロボットクリエイターになると言って周囲に笑われた」と語る高橋智隆氏。しかし「周囲になんと言われても自分の好奇心を大事にしてほし」と子ども達にエールを送った。

 さらに、「今回は、大変完成度の高い作品をたくさん見せていただいて、おおいに刺激なり、私もまた新しいものを作りたいという気持ちになりました。ロボット教室が始まって9年目。教室で学んだ子ども達が社会に出て活躍する日も間近です。彼らと一緒にロボットを開発できる日を心待ちにしています」と締めくくった。

ヒューマンアカデミー ロボット教室
 「ヒューマンアカデミー ロボット教室」は、高橋智隆氏をアドバイザーに迎え、2009年6月にスタートした、フランチャイズのロボット教室。全国に1,000教室以上を展開し、在籍者は16,000人を超える。

◆ヒューマンアカデミー ロボット教室の特徴
 小学生と幼児(5~6歳)を対象に、新しい学びの機会を提供。オリジナル教材を使って、ブロックの組み方やギアの仕組みに始まり、動力の仕組みやてこの原理、摩擦の力といった理科の知識も身に付けていく。最初はテキストどおりにロボットを組み立てるところから、プライマリーコース、ベーシックコース、ミドルコースへと段階的にステップアップしていく。最終的にはアドバンスプログラミングコースで、自律型のロボットづくりに挑戦。プログラミングでロボットを制御し、ロボット工学の基礎に触れながらアクティブラーニングを実践する。

◆期待される効果
 楽しみながらプログラミング的思考を身に付け、発想力、思考力、問題解決力、創意意欲、応用力など、小学生までに養いたい力を育む。

◆体験授業
 ヒューマンアカデミー ロボット教室では、体験授業も行っている。実際にブロックを使ってロボットを作り、自分で動かす楽しみを体感してほしい。体験授業の予約はWebサイトで受け付けている
・電話による問合せ
 東日本:0120-948-514
 中部:0120-919-404
 西日本:0120-982-753
 九州・沖縄:0120-937-420

【高橋智隆氏プロフィール】
 教材を監修する高橋智隆氏は、ロボットの世界大会「ロボカップ」で史上初の5年連続優勝を達成。ロボットクリエイターとしてロボットの研究、設計、デザイン、製作を手がけており、乾電池CM「エボルタ」、ロボット電話「ロボホン」、組み立てロボットキット「週刊ロビ」などの代表作がある。現在、株式会社ロボ・ガレージ代表取締役、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授などを務める。
《石井栄子》

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