QSアジア世界大学ランキング2018、東大トップ10入りならず…THE評価と比較

 英クアクアレリ・シモンズ社(Quacquarelli Symonds、QS)は10月18日(現地時間)、世界の大学を地域ごとに格付けした地域別世界大学ランキング(QS World University Rankings by Region 2018)を発表した。1位はシンガポールの南洋理工大学(NTU)。

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QSアジア世界大学ランキング2018(QS Asia University Rankings 2018)とTHEアジア世界大学ランキング(Asia University Rankings 2017)の比較 ※編集部作成
  • QSアジア世界大学ランキング2018(QS Asia University Rankings 2018)とTHEアジア世界大学ランキング(Asia University Rankings 2017)の比較 ※編集部作成
  • QSアジア世界大学ランキング2018(QS Asia University Rankings 2018)にランクインした国内の大学(1~10位) ※編集部作成
 英クアクアレリ・シモンズ社(Quacquarelli Symonds、QS)は10月、世界の大学を地域ごとに格付けした地域別世界大学ランキング(QS World University Rankings by Region 2018)を発表した。アジアの大学400校以上を対象にしたQSアジア世界大学ランキング2018(QS Asia University Rankings 2018)の首位は、シンガポールの南洋理工大学(NTU)だった。

 QSアジア大学ランキングは、QSが毎年発表しているQS世界大学ランキング指標に基づきながら、アジア地域にあわせた指標の追加や評価比重を調整し、アジアの大学に適切な評価を下せるよう作成している、アジア特化型の世界大学ランキング。「QSアジア大学ランキング2018」では、過去最大規模にあたるアジア地域17か国・425大学を評価した。

QSアジア世界大学ランキング2018の指標



 比重はそれぞれ、「学術的評判」が30%、「ビジネス業界からの評判」が20%、「学生に対する教員割合」が15%、「被引用論文数と教員数に対する被引用論文数割合」が計20%、「博士号を持つ教員数」が5%、「外国人教員比率と外国人留学生比率」が計5%、「交換留学生の割合(国内外)」が計5%。「博士号を持つ教員数」はアジア世界大学ランキング2016から加えられたエリア独自の評価指標のひとつ。交換留学生割合に関する指標も同様に、アジア世界大学ランキングでのみ用いられている指標だ。

QSアジア世界大学ランキング2018 総合順位



 集計の結果、1位はシンガポールの南洋理工大学(NTU)に決定。2位も同様にシンガポールの大学が選ばれ、シンガポール国立大学(NUS)がランクインした。3位は香港の香港科技大学(HKUST)。南洋理工大学がシンガポール国立大学を上回り首位に立ったのは、アジア世界大学ランキング発表以来はじめて。

 日本からはアジア世界大学ランキング2017同様、総合13位に東京大学がランクイン。14位には東京工業大学、15位には大阪大学が続いている。京都大学は17位。東北大学は2017ランキングに続き20位に入った。

 QSのリサーチダイレクターと務めているベン・ソーター(Ben Sowter)氏は、アジア世界大学ランキングにおける日本の大学トップは東京大学、京都大学など、大きな変化はないことに言及しながら、神戸大学、一橋大学、広島大学、東京医科歯科大学、千葉大学がトップ100位内にランクインし、従来の上位大学に近づいてきていると述べている。千葉大学はQSアジア世界大学ランキング2017から25位順位を上げ、今回は98位に入った。

THEアジア世界大学ランキング2017との比較



 世界の大学ランキングはこのほか、英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(The Times Higher Education)による発表や、上海交通大学の大学研究センターによる世界大学学術ランキング(Academic Ranking of World Universities)がある。いずれも評価指標や比重には差があるため、ランクインする大学はそれぞれ異なる。

 たとえば、THEが2017年3月に発表したアジア世界大学ランキング(Asia University Rankings 2017)の1位はシンガポール国立大学(NUS)。2位は中国の北京大学、3位も中国の清華大学だった。QSによるアジア世界大学ランキング1位の南洋理工大学(NTU)は4位。東京大学はトップ10のうち7位に入っており、QSによるアジア大学ランキング結果とは異なった。THEによるアジア世界大学ランキングではこのほか、韓国のソウル大学校と浦項工科大学校がトップ10にランクインしている。

 なお、THEは2017年7月にアジア太平洋地域の大学を中心に扱った「アジア太平洋世界大学ランキング2017(THE Asia-Pacific University Rankings 2017)」を発表しているが、QSアジア世界大学ランキングとは対象エリアが異なるため、よりエリア類似性の高いTHEアジア世界大学ランキング(Asia University Rankings 2017)と比較した。

◆QS Asia University Rankings 2018
1位 南洋理工大学(NTU)
2位 シンガポール国立大学(NUS)
3位 香港科技大学(HKUST)
4位 韓国科学技術院(KAIST)
5位 香港大学(HKU)
6位 清華大学
7位 復旦大学
8位 香港城市大学
9位 北京大学
10位 香港中文大学(CUHK)

◆QS Asia University Rankings 2018
トップ50に入った国内の大学
※( )内は総合順位
1位 東京大学 (13)
2位 東京工業大学 (14)
3位 大阪大学 (15)
4位 京都大学 (17)
5位 東北大学 (20)
6位 名古屋大学 (27)
7位 九州大学 (29)
8位 北海道大学 (31)
9位 慶應義塾大学 (36)
10位 早稲田大学 (39)
《佐藤亜希》

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