スマホ利用の低年齢化とネット被害
スマホは、電話としての機能以外に、辞書替わりとして、またSNS等のコミュニケーションツールとして、手軽に音楽や映像といったクリエイティブに触れるデバイスとして、すきま時間を利用した学習ツールとしてなど、多くの便利さと豊かさをもたらした。
一方で、プライバシーや情報セキュリティ面が課題ともなっている。総務省では、平成24年9月には「スマートフォン安心・安全利用促進プログラム」を作成、公表した。ここでは、「スマートフォンに関する総合的・重点的な周知啓発活動の全国展開」、「スマートフォン関係事業者による安心・安全な利用環境整備の支援」、「青少年・高齢者の利用に関する配慮」の3点にわたって記されている。
「青少年に対する利用環境整備」として、「スマートフォンのフィルタリングの改善」、「青少年のインターネットリテラシーに関する指標の作成・活用」が明記された。青少年への配慮は、スマホを提供するキャリアにも求められ、フィルタリング機能の充実が求められている。
2018年1月には、KDDIが「あんしんフィルター for au」の機能拡充を発表したが、その解説ページにあるグラフ「年代別のスマホ浸透率」をみると、中学生で72.6%、高校生では95.3%にものぼる(2017年10月末時点でのau契約者においてスマホを契約または利用している年代別の割合)。小学生においても23.9%にも及ぶ。
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2017年10月末時点のau契約者における年代別のスマートフォンを契約または利用している割合(KDDI調べ)
スマホ利用の低年齢化が進むなかで、残念ながらネット被害が多発している現状にある。平成29年に警視庁が発表した「平成29年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について」では、被害児童は919人で、過去最多の被害児童数だったという。しかも、「被害児童のうち9割以上が被害当時にフィルタリングを利用せず」といった状態だったと記されている。フィルタリングの活用を含めたスマホ利用のリテラシーの向上が急務だといえるだろう。
子どもたちの生活、授業に根づき始めたスマホ活用例
スマホ利用の低年齢化には課題があるものの、なぜスマホが急速に普及しているのだろうか。そこで、スマホによってもたらされる効果や今後期待されている利便性に注目してみたい。
事例1:大学eポートフォリオでの活用
グローバル化、少子高齢化など、急速な社会に対応する人材を輩出するため、現在、教育改革が進められている。その一環としての大学入試改革では、受験生に「学力の3要素」を多面的、かつ総合的に評価する方針が打ち出された。3要素とは、「1.知識・技能」「2.思考力・判断力・表現力」「3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」だが、3つめの主体性を試験で評価することは難しい。
そこで、「主体性等」についてはICTを活用して評価しようという試みが始まっている。「主体性等」を評価するための活動歴、調査書などをデジタル情報として大学eポートフォリオに渡す仕組みである。大学受験においても、ICT活用は進んでおり、スマホはなくてはならない端末になってきているともいえる。
事例2:高校の授業にスマホ導入
今後、学校でのデジタルデバイスとしてのスマホ利用が加速していく例として、東京都の取組みがある。2020年度からは、都立高校に個人のスマホを授業で活用する方針が都から発表されている。実際に、モデル校での実証実験のためのWi-Fi環境の整備費として、2億3,000万円(2018年度予算案)を計上。正式に、スマホが授業で活用されるわけだ。
都内有数の進学校である私立中高一貫校では、BYOD(Bring Your Own Device:自分の使いやすいタブレットやスマホ、PCなどを持ち込むこと)をすでに導入している。
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イメージ画像
スマホ共存時代の子どものためのスマホ選び4つのポイント
課題はあるものの、もはやスマホは必須の時代になった現在、どのような視点で親は子どものスマホを選ぶべきだろうか? 教育改革で想定される今後の利用方法を見据えたうえで、スマホと上手に付き合うためのポイントは次の4つだろう。
1.子どもの安全:違法なサイト・アプリから守る
2.子どもの健全:有害なサイト・アプリから守る
3.子どもの時間管理:依存から守る
4.親の安心:子どものスマホ活用リスクから守る
1.子どもの安全:違法なサイト・アプリから守る
ネット上には有用な情報がたくさんあるが、なかには人をだます目的で作成されたサイトもたくさんある。銀行サイトや情報ポータルサイトの偽サイト問題について耳にされた方も多いのではないだろうか。
たとえば、「〇〇銀行 インターネットバンキングが新しくなりました!」といったメールが届き、示されていたURLをクリックすると〇〇銀行のサイトにそっくりのサイトだったという例がある。その偽サイトでは、たくみに口座番号と暗証番号を入力させて盗むといった手口だ。同様に、通っている塾のサイトにそっくりな偽サイトに促されて、個人情報を盗まれてしまう場合もあるのだ。こうしたサイトがあることをあらかじめ知っておくことが大切である。また、起動時に個人情報を盗むアプリもある。アプリのなかにも違法アプリがあることを知っておきたい。
ネット上には音楽や動画など子どもが喜びそうなコンテンツがあふれているが、実は、こうした音楽や動画のなかには著作権や肖像権に違反しているものもある。視聴することでいつの間にか違法行為を行ってしまうことに通じるのだ。
2.子どもの健全:有害なサイト・アプリから守る
出会い系サイト、アダルトサイト、暴力的なサイト、犯罪行為をあおるサイトなど、子どもには見せたくない有害サイトも多数存在するのも事実だ。見る気がなくても、いろいろなサイトを見ていたらアダルトサイトに行ってしまい、不当な料金を請求されるケースもある。また、ウソの情報をあたかも本当のように面白く書いているサイトもあり、学校で教えられた情報よりもそちらを信じてしまうこともあるという。こうした違法サイト・有害サイトには行けないようにするフィルタリング機能を使うとよいだろう。
3.子どもの時間管理:依存から守る
子どもたちの間で問題になることが多いのがSNSだ。SNSで仲良くなった友だちどうしでケンカになり、殺人事件にまでなってしまったことを覚えていらっしゃる方は多いのではないだろうか。学校の友だちには言えないことをあまり知らないからこそ話せることは、とてもうれしいことに違いない。ある意味では、思春期の子どもたちの不安などを癒してくれるツールになっているともいえる。言い方をかえれば、依存性の高いツールでもある。食事中や勉強中でもずっとスマホをはなさずにいる、という状態にならない注意も必要である。あらかじめ、「食事中、勉強中はスマホを使わない」「スマホを使うのは朝〇時から夜〇時まで」といったルールを決めておけば、友だちにも「夜中にはすぐに返信できない」と伝えることができる。
4.親の安心:子どものスマホ活用リスクから守る
ネットでの問題をニュース等で知るたびに、子ども用のスマホをもたせることに不安を感じる親御さんも多いだろう。上記のように、スマホを利用することには危険もつきまとう。とはいえ、子どもたちが成長していく社会はスマホなど情報ツールが欠かせない世界だ。
そこで、どのようなリスクがあるかを子どもたちとじっくりと話し、共有することが必要だ。そのうえで、フィルタリングのような安心・安全を守る機能を利用しながら、スマホ利用のルールを親子で一緒につくることが子どもたちを守ることになる。緊急時にはお互いの居場所の確認ができることも安心だ。
安心してスマホを使うための機能「KDDIのあんしんフィルター for au」
子どもたちが安心してスマホを利用できるよう、キャリアからもさまざまな配慮がなされている。2018年1月にはKDDI株式会社から「あんしんフィルター for au」の機能拡充が発表されたが、中高生に人気のiOS端末からAndroid端末などすべてのauスマートフォンに対応している。月額利用料は無料、あとは設定するだけだという。
Webフィルタリング/アプリフィルタリング
先にあげた違法サイト、有害サイトの閲覧を防ぐには、フィルタリング機能が有用である。自宅ではWi-Fiを利用している、という場合も多いと思うが、Wi-Fi接続時でも、フィルタリングは行われる。また、アプリフィルタリングによってアプリの起動を監視するので、個人情報を盗もうとするアプリの起動を制限する。
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Webフィルタリング機能
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アプリフィルタリング機能
フィルタリング機能でどのようなサイトを制限するかについては、「小学生」「中学生」「高校生」「高校生プラス」の4段階から設定できる。子ども自身が納得した内容になるよう、親子で一緒に相談しながら設定するとよいだろう。なお、親がパソコンなどから遠隔で個別サイトやアプリを許可/制限することも可能だ。
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かんたん4段階設定・個別カスタマイズ:Web閲覧やアプリの制限を「小学生」「中学生」「高校生」「高校生プラス」の4段階から簡単に設定できる
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かんたん4段階設定・個別カスタマイズ:各ルール初期設定時のSNSアプリ利用可(Android,4GLTEケータイ版)※iOSについてはiOS本体機能の制限に従う
通話相手先制限機能/利用時間帯制限機能
通話相手先制限機能といった親が許可した相手先だけに発着信の制限ができる機能もあり、親しい友だちを把握することもできる。
また、通話・アプリの利用時間帯を設定も可能だ。特に、キャリアとしてはauだけの機能とされるアプリ制限は特定のアプリの利用時間制限が出来る。例えば、この時間は、塾で帰りが遅くなるから、通話やメールだけは使えるようにするが、アプリゲームだけは出来ない設定にする事が出来るので、スマホの機能を止めずに、かつ、子どもの依存から守る手段として活用出来るから安心だ。
(※利用状況照会は4月以降提供予定)
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利用時間制限と利用状況照会のイメージ
エリア検索
子どもの帰りがいつもより遅いと不安になるが、子どもがどこにいるかがわかると安心できる。基地局情報をもとに、子どもがいる周辺エリア(半径1km圏内)を表示できる機能がある。子どもには、自分がいる位置を検索されたことをSMSで知らせるので、「あ、心配させてるな」と気づかせることもできる。
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エリア検索イメージ:管理者ページよりエリア検索を実行すると、お子さまには検索されたことをSMSでお知らせする(※GPS衛星の電波・受信環境により情報が正しく表示されない場合がある)
自分用のスマホを手にし、喜んで利用しはじめる子どもたち。やがて、情報ツールであるスマホを親よりも上手に活用しはじめることだろう。グローバル化、IT化が加速する社会で、大きく羽ばたく子どもたちの姿を想像しながら、まずは安心・安全にスマホを使いこなす環境を整えてあげたいと思う。そのためにも、ぜひ親子でリスクとそれを避ける方法を話し合ってみてほしい。
「あんしんフィルター for au」の詳しい情報はこちらから。
<提供:KDDI>