医学部出身者の勤務地、地域格差あり…石川は7割が流出

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都道府県別の医師流出入の推計(青系:流出、赤系:流入)
  • 都道府県別の医師流出入の推計(青系:流出、赤系:流入)
  • 医療ガバナンス研究所
 各地域の医学部出身者のうち、石川県では68%が他県へ流出する一方、千葉県では245%が他県から流入しており、医師の勤務地選択に都道府県格差があることが、医療ガバナンス研究所が2018年6月4日に発表した研究結果より明らかになった。

 都道府県別の医師流出入の推計は、厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」などの公開資料をもとに、都道府県別の医師養成数と実働医師数の差を死亡・退職者の推計値で補正したうえで、1995年から2014年の20年にわたる見かけ上の医師の移動割合を推計した。日本では医師はほぼ自由に勤務地を選択することができるが、今まで医学部卒業後、医師がどの地域で勤務しているのか、定量的に具体的な数字を出したデータはなかったという。

 医学部卒業後、医師が他県へ移動する「医師の流出」は、石川県が68%ともっとも多く、島根県、高知県、鳥取県、秋田県が続き、いずれも半数以上が流出していた。

 一方、「医師の流入」は千葉県が245%ともっとも多く、埼玉、静岡、兵庫、広島などが続き、大都市近郊でより人口密度の高い都道府県で流入が多かった。

 大都市では、東京都は13%が流出していたが、愛知県や大阪府、福岡県では、7.7%から22.8%の幅で流入していた。

 調査の結果、医師の流入している都道府県には人口あたりで医学部の入学枠が少なく、流出している都道府県には医学部の入学枠が多い傾向にあることがわかった。また、医師を流出させている都道府県では高齢化が進んでいる傾向にある。

 医療ガバナンス研究所は、「日本全国でみると、医師の都道府県間の移動が医師偏在に与える影響は大きく、今後の医療政策を考えるうえで重要な視点の一つとなる」と考察。「このような客観的なデータに基づき、医師偏在の対策を講じる必要がある」とコメントしている。
《工藤めぐみ》

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