カスペルスキーは2018年9月7日、「保護者による管理」機能のデータから分析した「今夏の子どもや青少年のオンライン活動実態」を公開した。Kaspersky Labの分析をもとにしたもので、SNSよりも、動画コンテンツを見たり、音楽を聴いたりして過ごす傾向にあったという。 「保護者による管理」は、コンピューターやインターネット利用における悪影響から子どもや青少年を保護するセキュリティ対策機能。有害サイトのフィルタリングやインターネット利用の時間など、保護者が子どものインターネットやゲームなどの利用を適切に管理・制限するのをサポートする。 Kaspersky Labは、2017年に設立20周年を迎えた世界的なサイバーセキュリティー企業。2018年9月3日に発表した今回の分析レポートは、2018年6月~8月中旬の、Windows PCおよびMacからアクセスのあったWebサイトと、Windows PC、Mac、Android、およびiOSデバイスからの検索活動について、ユーザーから同意を得たうえで分析を行ない、その結果をまとめたもの。「保護者による管理」機能が有効化されたカスペルスキー製品から集めた統計データをもとにしている。 日本法人のカスペルスキーWebサイトに公開された分析は、Kaspersky Labの分析レポートから作成した。分析レポートによると、世界全体では、2018年の夏は、子どもたちはSNSよりも動画コンテンツを見たり、音楽を聴いたりして過ごす傾向にあったという。YouTubeを見ている時間は長く、特にユーチューバーの「PewDiePie(ピューディパイ)」が高い関心を集めていると報告している。 また、Netflixなどの動画サイトでTVシリーズを見て過ごす時間も長く、NickelodeonやDisney channel、スポンジ・ボブなどのアニメも好まれていた。音楽鑑賞にはSpotify、SoundCloud、iTunesなどのストリーミングサービスがよく使われており、もっとも人気のジャンルはラップだった。 また、BBCやCNN、BuzzFeedなどのニュースサイトへのアクセスも増加。2018年6月14日~7月15日に開催された2018FIFAワールドカップロシアの最新情報や試合結果も多く閲覧されていたという。 そのほかに注目すべき結果として、子どもたちが成人向けコンテンツのWebサイトを頻繁に検索していた点をあげている。オンラインプライバシーへの関心も見られ、子どもたちは積極的にインターネットで検索エンジン「DuckDuckgo」を探し、VPNについて調べていた。今回の分析結果から、子どもたちの間で、このトピックに対する興味が急上昇していることがわかったという。 分析結果の詳細は、Securelistブログ「We know what your kids did this summer」(英語)から閲覧できる。 カスペルスキーのコンシューマ テクニカル エヴァンゲリストである保科貴大氏は、「保護者は、子どもたちがどのようなサイトに興味があるのかは知っておくべきです。そのうえで自分の子どもがどのようなサイトにアクセスしているのかを確認しておきましょう。」とコメント。フィルタリングはそのために有効に活用できるとアドバイスしている。 静岡大学とカスペルスキーが共同開発した「ジュニアスマホ検定」では、ネット利用のスキルをチェック可能。家庭での情報モラル、適正な判断力の向上を目指した検定で、親子で家庭のルールを作ることができる。