東大医学部と司法試験の両立、河野玄斗さんの一発合格の秘訣とは

 「天才」「神脳」と称されさまざまなメディアでご活躍中の東大医学部生で司法試験にも一発で合格した河野玄斗さんの著書「シンプルな勉強法」(KADOKAWA)から、これから中学受験、高校受験、大学受験を控える親子にとって励みとなる考え方や勉強法をご紹介。

教育・受験 未就学児
河野玄斗さん初著書「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法」
  • 河野玄斗さん初著書「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法」
  • 河野玄斗さん初著書「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法」より
  • 河野玄斗さん初著書「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法」
 中学受験、高校受験、大学受験を控えるお子さんのいるご家庭にとってはこれからが正念場。年末年始気分は少しだけ…と気合いを入れて準備を進めているご家庭も多いのではないだろうか。

 「天才」「神脳」と称されさまざまなメディアでご活躍中の東大医学部生で司法試験にも一発で合格した河野玄斗さんの著書「シンプルな勉強法」(KADOKAWA)から、これから受験を控える親子にとって励みとなる考え方や勉強法をご紹介。誰でも使えて結果を出せる、超効率的勉強法とは?

司法試験の短期合格を決意するまで



 僕が初めに医学部に通いながら司法試験を目指すようになったのは、大学2年になった頃でした。

 東京大学に入学すると、大学1~2年の頃は、教養学部という文字通り「教養」を総合的に学ぶ学部にみんな属さなければなりません。そして、大学2年の後期に入る前に、進学振り分け(進振り)という制度があり、そこで専門学部を決めることとなっています。

 その進学振り分けが近づいてきたので、(「社会人になったら遊べなくなるかもしれない。それなら時間がある今、後悔しないように死ぬほど遊ぼう」という明確な目的を持って)遊び呆けていた僕は、将来のことについてそろそろ考え始めなければと思い始めたのです。

 そこで、せっかくなら自分にしかできないことをやりたいと考えて試行錯誤した結果、医者と弁護士の資格を持った医療弁護士になりたいと思うようになりました。

 医療ミスで泣き寝入りする患者さんは多く、また、今後は美容整形やレーシック手術などが増えるにつれて、医療過誤の増加も予想されます。医師と弁護士の知識を持っている人はほとんどいないうえ、そういった医療過誤で泣き寝入りせざるを得ない人たちを救いたいと思うようになったのです。

 …というのは後づけで、当初は「うーん、一生就く仕事なんだから楽しい方がいいよな~。あっ、いろいろと論理を振りかざして議論するのも好きだし、弁護士とか楽しそう!ダブルライセンサーってカッコいいしお金も稼げそうだし、そして楽しそうなんだったら目指さない手はない!」くらいの気持ちでした。

 しかし、勉強していくうちに、困っている人を救いたいという気持ちが心の底から湧いてきました。大義名分を掲げているうちに、それが本心に昇華したのであればそれでよいと思う…というのは、(本書籍内の)Chapter1でお話しした通りです。

 さて、思い立ったが吉日で、そこから司法試験についての情報を集め、業界最大手と言われる予備校に入りました。

 独学でやると、どの参考書をやればいいか悩まなくてはならないうえ、参考書を決められたとしても、果たして手持ちの参考書さえやれば必要十分な知識が網羅できるのかなどといった不安に襲われやすいからです。この点は、予備校に入ったことで、網羅性があって体系的に学べる教科書を入手できたのはよかったと思います。

 もっとも、医学部は6年制だったので、当初は司法試験の短期合格を目指すつもりはありませんでした。そのため、相変わらず毎日のように遊んだり、(ダンスサークルに入っていたので)文化祭で披露するダンスの練習に打ち込んだりしていました。

 そんななか、11月頃に翌年の5月に予備試験を受ける友人と、某弁護士事務所にお邪魔する機会がありました。

 当日、弁護士の方と友人たちで鍋を囲むことになりました。すると、その場で友人たちが、「次の予備試験、みんなで絶対受かろうな!」「先輩、予備試験受かったら連絡するのでぜひ雇ってください!」などという話題で盛り上がり始めました。調子に乗りやすい僕も、周りに合わせて「俺も次の予備試験に受かるからよろしく!」などと発言したものでした。当然、周りの人は「いや、現状、次の予備試験はなかなか厳しいんじゃ…」と思ったことでしょう。

 しかし、その反応が僕に火をつけました。壁は高いほどよく、無理だと思われた方が燃えるタイプなのです。周りに無理だと思われようが、絶対成し遂げてやるんだと思う信念があればなんだってできると思っているからです。

 以前僕はTwitterでこのようにツイートしたことがあります。

 よく「今から勉強したら〇〇大学に受かりますか?」とか「勉強してこなかったんですけど司法試験に受かるのは無理ですかね?」とか聞かれるけど、仮に俺が“無理です”って言っても、その道に進みたいなら「絶対受かってやる。無理だなんて言わせとけ。」って頑張るんだよ。その努力は財産になるはず。

 これは、自分のそのときの思いも載せてツイートしたものでした。
 また、Chapter1でも述べましたが、僕の理想像は次のような人です。

 「自分に自信のある人間だが、慢心することも、他人を見下すこともせずに、ひたむきに努力している。『自分はすごいんだぞ』という自信ではなく、『頑張ってやるぞ。だって自分は頑張りさえすればなんだってできるんだから』という自信が原動力になっている」

 僕はこの理想像に少しでも近づくために頑張っていたのかもしれません。

合格までの道のり



 さて、そうは言ったものの、道のりはかなり険しいものです。短期合格のためには、徹底的に効率を追い求めていかねばなりません。

 まず逆算勉強法のステップ1の要領で、「目標を知って具体的なゴールを設定する」に着手しました。

 とりあえず予備校のテキストを見てみる→とにかく分厚い。
量が半端ない…。

 次に予備試験の論文の問題を見てみる→問題文を読んでも全く見当がつかない。この問題から1科目70分の時間制限で答案という名の論文を一つ書き上げなければならない。そして予備校の講義数を見てみる。やっぱり多い…。

 ものすごい絶望感でした。
 しかし、やると決めたからにはやるしかありませんでした。

河野玄斗さん初著書「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法」より
河野玄斗さん初著書「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法」より/撮影:戸谷信博

 そもそも予備試験とは、5月にある短答式試験(=択一式試験)と、7月にある論文式試験と10月にある口述試験の3つのステップがあり、それぞれのステップをクリアしなければ次のステップに進めません。

 そして、その合格率はそれぞれ約20%、20%、90%です。つまり、最終的な合格率は0.2 ×0.2 ×0.9=0.036で4%未満なのですが、そのなかで僕は「全受験者の上位20%しか受けられないのに、さらに5人に1人しか受からない」論文式試験が一番のヤマだということに着目しました。

 僕は、次の予備試験に受かるかどうかは、論文式試験に受かるかどうかにかかっていると判断しました。そこで、短答式試験は合格最低点ギリギリを狙い、とにかく論文対策をできる限りすることで、論文の点数を可能なだけ取るというゴールを設定しました。

 すなわち、短答式試験をやり込んで短答式試験に受かってから、2カ月の論文対策で論文式試験に臨んでも論文式試験に受からないと思ったのです。

 次に、逆算勉強法のステップ2である「ゴールまでにやりたいことを決める」に着手しました。これについては、司法試験初心者の僕は優秀な人に聞……くべきでしたが、この手順を踏み損ねてしまいました。

 ここで言い訳させてください。当時の僕の考え方はこうでした。

 「どうせ講義は800~900時間もあってめちゃくちゃ多いし、いつ全部聞き終えられるのかわからない。予備校の講義(以下、すべて自宅でも視聴可能なビデオ講義です)は全部見るし、1周見終わったときの状況によってやることは変わってくるのだから、とりあえず少しでも早く全部見ちゃおう」

 これも筋は通っているのですが、それでもやはり、あらかじめ優秀な人に聞いておくべきでした。というのも、やるべきことの全体像が見えているかどうかが、その講義を受ける姿勢自体に影響してくるからです。

 その予備校の講義は「基礎編」と「論文対策編」に大きく分かれていたのですが、どういうところを意識しながら「基礎編」の学習をしていったらよいかなどを知っていたら効率は変わってきたはずです。

  結局全講義を見終わったのは3月頃です。そのタイミングで、すでに予備試験に受かっていた優秀な友人にようやく教えを乞いました。

 いろいろ話を聞いているうちに、「自分はなんて試験のことをわかっていなかったのだろう」「あー、あの勉強法は非効率だったな」という後悔に襲われました。

 しかし、その後悔もまたPDCAサイクルの一環です。この後悔があったからこそ、逆算勉強法のクオリティはいっそう磨かれていきました。

 そんなこんなで、逆算勉強法のステップ3にあたる「やるべきことをスケジュールに落とし込む」は、「とにかく暇なときは、めちゃくちゃ講義を見る」となりました。

 医学部の勉強もしなければいけませんでしたが、そこは優先順位をつけて、医学部の勉強は単位を取る最小限度に抑えることにしました。試験のヤマを張ってくれた医学部の同期には感謝してもしきれません。

 そして、逆算勉強法のステップ4である「実践する」。これに関しては、「勉強の質」も大事ですが、やはり「勉強の量」は無視できません。正直言って、司法予備試験の論文試験が終わるまでが人生のなかで一番勉強したと言っても過言ではありませんでした。3月に入り、「講義をもうすぐ見終わるぞ」という頃には「今年の試験に落ちても全然後悔ないな~。こんだけ頑張れるってわかっただけでも本当に意味のある半年だった」という悟りの境地に達していたほどでした。

東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法

発行:KADOKAWA

<著者プロフィール:河野玄斗>
 1996年、神奈川県生まれ。私立聖光学院高等学校卒業後、2018年現在、東京大学医学部医学科5年生に在学中。4年在学中の2017年に司法試験に一発合格。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストベスト30入り。雑誌・テレビにも多数出演。本書が初の著書。


《編集部》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)