夏休み中の学校業務、縮減して休日確保を…文科省が通知

 文部科学省は2019年6月28日、学校における働き方改革の推進に向け、夏期休業中の学校業務の適正化について各都道府県・指定都市教育委員会に通知を出した。長期休業期間中の業務を縮減し、「まとめ取り」のように一定期間集中するなど、休日を確保するよう求めている。

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 文部科学省は2019年6月28日、学校における働き方改革の推進に向け、夏期休業中の学校業務の適正化について各都道府県・指定都市教育委員会に通知を出した。長期休業期間中の業務を縮減し、「まとめ取り」のように一定期間集中するなど、休日を確保するよう求めている。

 文部科学省は、学校における働き方改革に関する総合的な方策について、中央教育審議会が2019年1月に取りまとめた答申を踏まえ、取組みを進めている。

 「まとめ取り」は、夏季などの長期休業期間中に一定期間集中して休日を確保するための手法として、完全学校週5日制への移行期間に行われていたが、2002年の学校週5日制の完全実施に伴い廃止されていた。

 6月28日付の通知では、給与上有給扱いであることを踏まえて「まとめ取り方式」をやめ長期休業期間中に研修実施などを求める2002年の通知内容を廃止。教師の厳しい勤務実態を踏まえて働き方を見直すため、「まとめ取り」のように一定期間休日を集中させるなど、さまざまな手段を活用して長期休業期間中にまとまった休日を確保する必要性を指摘している。

 具体的には、教師が確実に休日を確保できるようにするため、学校閉庁日を設定し、研修はICTを活用したオンライン研修を実施するなど工夫。夏季・冬季・学年末などの休業期間中に授業日を設定する場合は、各教科や学習活動の特質に応じ効果的であると言えるかどうか、十分に検討を行うこととした。

 部活動は、部活動指導員や外部人材の積極的な参画を図るほか、スポーツ庁や文化庁のガイドラインを踏まえ、長期休業期間中も学期中に準じた扱いとして週あたり2日以上の休養日を設け、1日の活動時間は長くても3時間程度とするなど、できるだけ短時間に合理的かつ効率的・効果的に活動する。

 夏休み期間中の高温時のプール指導、試合やコンクールに向けた朝練、地域行事への参加取りまとめや引率などは、「学校としての伝統だからとして続いているが、児童生徒等の学びや健全な発達の観点からは必ずしも適切とは言えない業務または本来は家庭や地域社会が担うべき業務」として、各学校の実情を踏まえて見直すよう求めている。
《奥山直美》

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