海外留学した日本人、2018年は8万566人…JAOS調査

 海外留学協議会(JAOS)は2019年12月11日、留学事業者42社を対象とした日本人留学生数調査の結果を発表した。アメリカへの留学が減少している一方、マルタやフィリピンなど新たな渡航国を選ぶ人が増え、2018年の年間留学生数は8万566人と、前年より増加している。

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留学渡航国別の日本人留学生数
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 海外留学協議会(JAOS)は2019年12月11日、留学事業者42社を対象とした日本人留学生数調査の結果を発表した。アメリカへの留学が減少している一方、マルタやフィリピンなど新たな渡航国を選ぶ人が増え、2018年の年間留学生数は8万566人と、前年より増加している。

 留学生数の調査は、日本学生支援機構(JASSO)やOECDなどの統計をもとにした文部科学省の「日本人の海外留学者数」などがあるが、海外の大学や大学院などの高等教育機関に留学した日本人や日本国内の大学経由などで留学した学生の人数しか計測されていない側面がある。

 JAOSでは、日本人の留学生数をより明らかなものとし、留学業界全体を正しく発展させていくことを目的に「海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査」を毎年実施し、社会人や小中高生などを含む留学生数統計データーを提供している。「日本人留学生数調査2019」は、JAOS会員である留学事業者42社を対象に2019年8月に実施。統計調査の対象期間は2018年1月1日~12月31日。

 調査結果によると、JAOS加盟の留学事業者からの2018年の年間留学生数は8万566人。留学渡航国別にみると、「アメリカ」が1万7,894人ともっとも多く、ついで「オーストラリア」1万7,076人、「カナダ」1万2,573人、「フィリピン」6,755人、「イギリス」6,648人、「ニュージーランド」5,672人などと続いている。

 JAOS統計調査によると、アメリカへの日本人留学生数は3年連続で減っている。IIE(国際教育協会)の調査でもアメリカへの留学生数は減少しており、トランプ大統領の就任以降、外国人向けのビザ関連の規制などから、世界的にアメリカへの留学生数が減少傾向にあることが読み取れるという。

 ただ、全体では日本人留学生数は増加傾向にあり、マルタ、アイルランド、カナダ、フィリピンなどへの留学が増えている。

 留学目的別では、語学留学が前年比でもっとも数字が伸びており、「語学留学3か月未満」4万3,627人、「語学留学3か月以上」9,704人と、語学留学が7割近くを占めている。このほか、「中学・高校留学交換&私費(語学研修のみは含まない)」も1万5,870人と多かった。

 JAOSでは、語学留学が増えている要因として、「企業が新卒採用で企業応募時に求める英語力が年々上がっている」「グローバル市場を目指す日本企業の管理職への昇進基準に英語力が課せられつつある」などの会員各社の声を紹介。就活に向けた大学生の語学留学、キャリアアップを目指す社会人個人の短期語学留学、企業研修などが伸びていると分析している。
《奥山直美》

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