【センター試験2020】理科2の分析…東進・河合塾・データネット速報まとめ

 2020年1月19日、大学入試センター試験2日目が終了した。ベネッセコーポレーションと駿台予備校による「データネット」と、河合塾、東進より提供を受け、「理科2」の大学入試センター試験分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

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 2020年1月19日、大学入試センター試験2日目が終了した。ベネッセコーポレーションと駿台予備校による「データネット」と、河合塾、東進より提供を受け、「理科2」の大学入試センター試験分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

物理


 出題形式や分量に関しては昨年から大きな変化はなかった。一方で、公式を適用して直ちに正解が得られるような問題が減少し、典型的な解法では解きにくい設問が増加した。教科書にはない形状のコンデンサーの問題など、設定を正確に把握する力が必要な問題も多かった。また、日本の研究グループが命名権を獲得したニホニウムに関する問題が出題された。(河合塾)

 選択問題は熱力学と原子で、原子ではニホニウムの生成の核反応式が取り上げられた。円筒形の導体を加工し誘電体をはさんだコンデンサーの設定が目新しく、平行板コンデンサーの等価回路として考えさせる出題があった。部分点設問が復活し、昨年よりやや易化。問題量は減少。昨年26または28ページ(選択する問題によって異なる)だったページ数は22ページになった。(データネット)

 昨年と形式は変わらず大問数は6題で、分野は第1問が小問集合、第2問が電磁気、第3問が波動、第4問が力学、第5問が熱力学、第6問が原子物理であり、第5問と第6問が選択問題だった。第6問の選択問題では、ニホニウムに関する問題が出題された。すべての範囲からまんべんなく出題されている。全体として分量が少し減っているが、難易度は昨年並み。(東進)

化学


 化学の全範囲から出題された。対数目盛のグラフを読み取って、反応速度に関する式を導く問題は目新しい。中和滴定の指示薬と滴定曲線に関する問題、ニッケル水素電池に関する計算問題、有機化合物の合成実験の結果を考察する問題など、全体として、与えられた情報と知識を組み合わせたり、複数の段階にわたって判断する化学的な思考力を重視する内容であった。(河合塾)

 計算問題の数は、昨年とほぼ同程度。実験を題材にした問題文を正確に読み取ったうえで、操作の理解と結果を考察する力が求められた。また、中和滴定の指示薬やニッケル水素電池の充電を題材にした目新しい問題も出題された。問題量と難易度は昨年並。(データネット)

 大問構成は必答問題・選択問題ともに昨年から変更はなく、設問数も変化なし。マーク数は全体で3つ増加し、全体で32となった。選択問題では、例年同様教科書の後半で取り扱う高分子化合物が出題されたが、配点が4点に減少した。知識を問う正誤問題は、四択問題の割合が増加し、比較的解きやすかった。全体としての難易度は昨年並み。(東進)

生物


 教科書の各分野から幅広いテーマで出題されたが、「生命現象と物質」と「生物の進化と系統」の分野からの出題が多かった。問題のページ数や選択肢が6個以上ある問題の数が増えたが、文章選択肢の数や図・表の数、考察問題の割合が減り、教科書レベルの標準的な知識問題の割合が増えた。このため、全体の分量や難易度は昨年と大きく変わらなかった。(河合塾)

 昨年同様に幅広い分野からの出題で、全大問でグラフや表などを読み取り、それをもとに考察する思考力を要する問題が出題された。変異体の表現型から変異の原因となった遺伝子を考える問題や条件の異なるデータを比較分析する問題が、複数出題された。難易度は昨年並。問題量は増加。昨年29または30ページ(選択する問題によって異なる)であったページ数は34ページになった。(データネット)

 昨年と同様に大問数は6題、第6問と第7問が選択問題。設問数は第6問、第7問どちらを選択しても30問であり、昨年の26問よりも増加した。マーク数は第6問では34、第7問では35と、昨年(32)よりも増加した。知識問題は、生物の教科書の内容を押さえておけば解ける平易なものが多かったが、分量が増加した。実験考察問題の分量が多く、図・表などデータの量が増え、処理に時間がかかるだろう。また、実験の解釈が難しいものが散見され、全体として昨年並みの難易度だった。(東進)

地学


 大問数、マーク数、および必答・選択問題の割合は昨年と同じだった。昨年同様、地球、岩石と地質、大気と海洋、宇宙の分野からバランスよく出題された。必答問題中の計算問題の数には変化がなかった。一方、図やグラフを読み取って、計算や考察をする問題が増加した。広範な知識の組合せを必要とする問題も増加したため、昨年よりも難易度がやや高かった。(河合塾)

 単純に語句のみを問う問題が減少し、正文や図を選択する問題が増加した。マグマの移動に伴う重力変化、海洋プレートと大陸プレートとの間での地震波の屈折、高層天気図の時間変化といった目新しい題材が多く扱われた。問題量は昨年並み。難易度は昨年よりやや難化。(データネット)

 出題分野、大問数と大問の分野は昨年、一昨年と同じだった。基本的事項の知識をもとに考察させる問題が多くなり、来年からの共通テストの傾向をうかがわせるものが見られる。教科書の基本事項を丹念に学習することと標準レベルの問題を多く演習することに加えて分野総合的な学習が求められる出題だった。各分野について基礎的な知識を基礎に思考力を問う設問が多くなり、難易度はやや難化した。(東進)

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《工藤めぐみ》

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