コロナ影響を受ける子どもの権利、世界で行動を…ユニセフ

 ユニセフは2020年4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、子どもの権利の危機を防ぐためのメッセージを発表した。また、セーブ・ザ・チルドレンなど3団体は共同で、日本政府に対して、子どもの権利を守るためのODAの拡充を求めている。

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日本ユニセフ協会
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  • 3団体による6つの提言
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 ユニセフは2020年4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、子どもの権利の危機を防ぐためのメッセージを発表した。また、セーブ・ザ・チルドレンなど3団体は共同で、日本政府に対して、子どもの権利を守るためのODAの拡充を求めている。

 ユニセフ(国際児童基金)は、前例のない規模で広がる新型コロナウイルスについて、一部の国では感染の伸びが鈍化しているとしても社会的には急速かつ甚大な影響が及びおそれがあると危惧。多くの場所で、もっとも弱い立場にいる子どもたちが犠牲になるかもしれないとして、6つの行動を迅速に行うことを世界に呼びかけた。

 ひとつは「子どもの健康を保つ」。政府とパートナー団体に向けて、妊産婦や新生児、子ども向けの保健サービスを維持することを求める。新型コロナウイルスによる緊急のニーズを引き続き満たしながら、子どもの生存と成長を保障する予防接種への資金確保など、重要な取組みを推進することを望んでいる。

 また、世界中の学校が休校措置をとり、保護者や教育関係者は子どもたちが勉強を続けられるように新たな方法を模索し、対応に追われている。「子どもたちの継続した学びを支援する」では、すべての子どもがインターネット、本や学用品を利用できるわけではないと指摘し、新技術がなくとも実現できる手段を含め、家庭学習の手段を拡充し、遠隔地および農村地域でのインターネット接続に優先して取り組むよう政府に求める。

 そのほか、「子どものいる家庭を支援する」「暴力、搾取、虐待から子どもを守る」「弱い立場に置かれた子どもに水と衛生の支援を提供する」「難民や移民の子ども、紛争の影響を受ける子どもたちを保護する」ことを呼びかけた。今行動を起こさなければ、この健康危機は子どもの権利の危機になるリスクがあるとし、世界で連携して行動するよう訴えている。

 また、子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレン、プラン・インターナショナル、ワールド・ビジョンは、新型コロナウイルス感染症による影響から子どもの権利を守るため、日本政府に対して、政府開発援助(ODA)の拡充を求める共同声明を発表した、

 具体的には、4月以降予定されている大型補正予算等において、ODA等による国際支援を拡充するとともに、すでに行われている支援が必要以上に削減されることなく継続できるよう、新規の資金拠出を要望。そのほか、特に子どもたちの命・生活に重要な生計支援、保健・栄養、教育、ジェンダー、子どもに対するあらゆる暴力からの保護等の分野への支援に重点を置くよう要請しており、とりわけ、脆弱な立場におかれやすい貧困層の子ども、難民・国内避難民や紛争地域に住む子ども、女の子、障害のある子ども、少数民族の子ども、セクシュアル・マイノリティの子どもなどの権利が守られるよう配慮することなどを提言している。

 3団体による6つの提言は、セーブ・ザ・チルドレンWebサイトに掲載されている。
《黄金崎綾乃》

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