育児・介護休業法4/1改正…男性育休推進の鍵は主体的な関わり

 「育児・介護休業法」が改正され、2022年4月1日より段階的に施行される。タスカジは共働き世帯の家事負担軽減に向けて男女別の家事・家事代行の利用という視点から調査を実施。パパ育休の取得や家事負担の偏りの解決には「男性の主体的な関わり」が重要だとしている。

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タスカジ「男性の家事への主体的な関わり」提案
  • タスカジ「男性の家事への主体的な関わり」提案
  • 家事代行の利用前後を比較して、男女間で見る家事比率(女性依頼者ユーザーの場合)
  • 家事代行の利用前後を比較して、男女間で見る家事比率(男性依頼者ユーザーの場合)
  • 夫または男性パートナーが育児休業を取得する際にもっとも重要なことは何か
  • 家事の棚卸しワークショップ「家事シェア」資料
  • 家事の棚卸しワークショップ「家事シェア」資料
 「育児・介護休業法」が改正され、2022年4月1日より段階的に施行されることを受け、タスカジは共働き世帯の家事負担軽減に向けて男女別の家事・家事代行の利用という視点から調査を実施。パパ育休の取得や家事負担の偏りの解決には「男性の主体的な関わり」が重要だとしている。

 2021年6月に改正、9月21日に閣議決定された「育児・介護休業法」が、2022年4月1日から段階的に施行される。女性に偏りがちな育児・家事負担について、今まで以上に男性がコミットし、社会的にも後押しすることを目的としており、改正後は、男性の育児休業取得促進のため、子の出生直後の時期に柔軟に育児休業を取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」が2022年10月1日に新設される。

 4月1日には、「育児休業を取得しやすい雇用環境整備」等が施行され、育児休業や産後パパ育休の申出が円滑に行われるよう、本人・配偶者が妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知や休業取得意向の確認のための措置を事業主に対して義務付けることとなる。

 シェアリングエコノミーの家事代行マッチングプラットフォーム「タスカジ」の依頼者ユーザー登録は8割が女性だという。タスカジ研究所が2021年12月に発表した調査によると、30~50代の夫婦のみ世帯やファミリー層の家庭内の家事負担割合は、女性依頼者ユーザーの場合、家事代行利用前で妻:夫=8:2と大きく女性に偏っており、家事代行利用後も女性の家事負担は6割まで低下するものの、夫の家事負担は2割のまま変化がなく、依然として家事負担の比率のギャップは大きく残っている現状がみられた。

 一方、男性依頼者ユーザーの世帯では、家事代行利用前の夫婦の家事負担は妻:夫=6:4となり、家事シェアが進んでいる傾向が見られたという。家事代行利用後も、妻46%、夫34%と夫婦ともに家事負担の割合が等しく軽減されており、まだまだ女性の家事負担割合が高いものの、外部を頼ることで互いの家事負担を等しく減らしていることが明らかになったという。

 タスカジ研究所が2020年12月に発表した育児休業取得に関する調査では、「夫または男性パートナーが育児休業を取得する際にもっとも重要なことは何か」との問いに対し、「職場の取得への理解」の次に、「本人(夫自身)の取得意識の向上」や「夫婦間での役割分担の明確化」等の意見があがり、家庭内の内部環境が整わないと制度があっても活用できないと考えている傾向がみられた。タスカジでは、女性(妻)に偏っている育児・家事負担を根本的に解決するには、家事代行の利用のみならず男性(夫)がいかに主体的に家事に関わるかが重要だとしている。

 そうした課題解決の一環として、タスカジでは、家庭内で行う家事の棚卸しワークショップ・タスカジ流「家事シェア」術を提案。ワークシートを用いて、料理や掃除といった頭に浮かびやすいものから、子供のオムツ記名、郵便物の確認等の細かい「名もなき家事」まで家庭内での家事をできるだけ洗い出し、誰がどの業務をやっているのかを可視化。家族で現状を把握したうえで、今後どのような分担にしたいか「見える化」することができる。ワークショップ資料はタスカジWebサイトから無料でダウンロードできる。

 また、男性の家事に対する主体的な関わりを応援するため、これから初めてタスカジを依頼する男性依頼者ユーザー限定のキャンペーンを実施。4月5日~4月30日の期間中に依頼予約を完了した先着100人を対象に、初回スポット依頼が50%オフになる「家事シェア応援キャンペーン」を展開する。キャンペーンの詳細はWebサイトで確認可能。タスカジでは、男性が主体的に家事ついて考え、家事の仕事がどのくらいあるのかを棚卸ししたり、今後の家事シェアを考えるきっかけとして利用してもらいたいとしている。
《畑山望》

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