痴漢被害「欠席日数に含めない」児童生徒への対応依頼…文科省

 永岡桂子文部科学大臣は2023年4月18日の記者会見で、痴漢被害に遭った児童生徒が警察へ通報する過程で遅刻や欠席した場合は「欠席日数に含めない」等、痴漢撲滅に向けた政策パッケージの留意点を語った。同パッケージは3月30日付で関係省庁において作成された。

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永岡桂子文部科学大臣記者会見(2023年4月18日)
  • 永岡桂子文部科学大臣記者会見(2023年4月18日)
  • 痴漢撲滅に向けた政策パッケージ(概要)

 永岡桂子文部科学大臣は2023年4月18日の記者会見で、痴漢被害に遭った児童生徒が警察へ通報する過程で遅刻や欠席した場合は「欠席日数に含めない」等、痴漢撲滅に向けた政策パッケージの留意点を語った。同パッケージは3月30日付で関係省庁において作成された。

 内閣府の調査によると痴漢被害は、16歳から24歳の女性の10人に1人が遭遇。2019~2021年の東京都における検挙数のうち、被害者の4分の3以上(76.9%)が10代・20代の若年層となっている。

 「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」は、痴漢対策に取り組むうえでの基本的な考え方とともに、痴漢防止や加害者の再犯防止の取組み、被害者を支える取組み等、今後実施する施策を取りまとめたもの。文部科学省と関係省庁において3月30日付で作成。同日、各都道府県の教育委員会等にも事務連絡を出し、同パッケージの内容を周知している。

 事務連絡では、「学校における教育」と「痴漢被害に遭った児童生徒等への対応」について掲載。このうち、児童生徒が通学中に痴漢被害に遭った場合の対応については、遅刻や欠席扱いとすることで不利益を被ることのないよう、校長が認める場合は「欠席日数に含めない」とする対応を依頼。あわせて遅刻についても同様の柔軟な取扱いをお願いした。

 また、被害に遭った受験生の受験機会の確保や、ワンストップ支援センターとの連携、学校における相談体制の拡充を依頼。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置や、SNS等を活用した相談体制の積極的な活用を求めている。

 会見で永岡桂子文部科学大臣は、「痴漢は重大な犯罪」としたうえで、児童生徒に向け「もし痴漢被害に遭ってしまった場合は、ためらわず、安心できる大人、近所にいる大人に、相談していただきたい」と語った。

《川端珠紀》

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