子供の居場所づくり指針を検討…オンライン・SNSも有用

 2023年9月25日にこども家庭審議会(第2回)が開催され、議事の1つとして「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」の答申素案が示された。子供・若者が過ごす場所・時間・人との関係性すべてが居場所になりえるとして、オンラインやSNSも有用と盛り込んでいる。

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こどもの居場所に関する背景と理念、考え方などについて
  • こどもの居場所に関する背景と理念、考え方などについて
  • こどもの居場所づくりを進めるにあたっての基本的な視点
  • こどもの居場所づくりに関係する者の責務、役割と推進体制など

 2023年9月25日にこども家庭審議会(第2回)が開催され、議事の1つとして「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」の答申素案が示された。子供・若者が過ごす場所・時間・人との関係性すべてが居場所になりえるとして、オンラインやSNSも有用と盛り込んでいる。

 こども家庭審議会は、こども家庭庁に置かれた政府の諮問機関。今回、4月に岸田総理大臣から「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」案の策定に向けた具体的な事項の検討が諮問として出されたことを受け、答申素案を示した。

 「こどもの居場所づくりに関する指針」では、地域のつながりの希薄化や児童虐待の相談対応件数の増加、不登校や自殺者数の増加、価値観の多様化など、子供と若者を取り巻く環境の変化を背景に、居場所がないことは孤独・孤立の問題と深く関係しており、子供が生きていくうえで居場所があることは不可欠と明記。すべての子供が、安全で安心して過ごせる多くの居場所をもち、多様な体験活動や外遊びの機会に接することができる「こどもまんなか」の居場所づくりを実現するとの理念をあらためて示した。

 そのうえで、子供の居場所については「こども・若者が過ごす場所・時間・人との関係性すべてが、こども・若者にとっての居場所になりえる。物理的な『場』だけでなく、遊びや体験活動、オンライン空間といった多様な形態をとりうる」と定義。また、「居場所と感じるかどうかはこども本人が決めることであり、こどもの主体性を大切にすることが求められる」との考えも示した。

 具体的には、多くの子供にとっての居場所となっている「学校」をはじめ、塾や習い事、児童館、こども食堂などが、こどもの居場所となるとした。さらに、特別なニーズをもつ子供・若者や地域性を忌避する傾向のある子供・若者などにとって「オンラインの居場所」が初めの一歩としてつながりやすい、との有用性にも言及。リスクが強調されがちなオンラインゲームやSNSなどについても、リスクから守りつつ、居場所としての有用性について理解を深めていく必要があるとした。

 今後、政策的対応に向けた検討を行うにあたり、子供・若者やこどもの居場所に関する関係者の意見を聴きながら答申をまとめる予定。指針を踏まえて、政府は子供の居場所づくりに向けた政策を進め、おおむね5年後をめどに見直しを行うとしている。

《畑山望》

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