都内私立校の体罰10件、部活動中が最多

 東京都は2023年12月22日、都内私立の幼稚園から高等学校における2022年度体罰等に係る実態把握の結果を公表した。私立小中高校8校において体罰10件が発生し被害児童生徒は13人となった。また暴言を含む不適切指導により教員15人が処分を受けている。

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発生学校数
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  • 被害を受けた児童生徒人数
  • 体罰時の状況、態様、被害の状況など

 東京都は2023年12月22日、都内私立の幼稚園から高等学校における2022年度体罰等に係る実態把握の結果を公表した。私立小中高校8校において体罰10件が発生し被害児童生徒は13人となった。また暴言を含む不適切指導により教員15人が処分を受けている。

 調査は文部科学省が2022年度における体罰実態を把握するため、全国の国私立の幼稚園(幼稚園型認定こども園を含む)、小・中学校、高等学校(通信制を含む)、中等教育学校、特別支援学校を対象に実施した体罰等に係る実態把握調査のうち、東京都が都内の私立学校分を集計したもの。調査期間は2022年4月1日~2023年3月31日。

 集計対象は、都内の私立幼稚園806校(園児11万4,192人・教員1万1,586人)、私立小学校55校(児童2万5,730人・教員2,106人)、私立中学校187校(生徒7万9,896人・教員9,260人)、私立高校241校(生徒18万814人・教員1万8,345人)、私立特別支援学校4校(児童生徒234人・教員113人)。

 このうち、体罰があった学校数・件数は8校10件で、被害にあった児童生徒は13名(前年度6校6件20人)だった。内訳は、小学校が1校1件1人、中学校が2校2件2人、高校が5校7件10人で、幼稚園と特別支援学校では該当事案はなかった。

 体罰が行われた場面は、小学校は「ホームルーム」、中学校は「授業中」「部活動」においてそれぞれ1件発生。高等学校は「授業中」2件、「部活動」4件、「学校行事」1件において発生した。

 体罰の態様は、「素手で殴る・叩く」5件がもっとも多く、「蹴る・踏みつける」「投げる・突き飛ばす・転倒させる」が各1件、「その他」が3件。被害状況は「傷害なし」が8件、「外傷」1件、「打撲」1件だった。

 体罰事案を把握したきっかけ(複数回答可)は、小学校が「教員の申告」1件、中学校が「保護者の訴え」2件。高校では「児童生徒の訴え」5件がもっとも多く、ついで「保護者の訴え」4件、「教員の申告」1件が続いた。

 また、児童生徒への暴言などを含む不適切な指導により処分を行った学校数・件数は11校11件で、処分を受けた教員数は15人であった。校種別では高等学校11人がもっとも多く、ついで中学校2人、幼稚園・小学校が各1人。特別支援学校には該当事案はなかった。

《川端珠紀》

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